このレビューはネタバレを含みます
2022年57作品目。
是枝さん、またすごいものをつくられたなぁ。
カメラワークとしては、暗闇の中での撮影がとても印象的。
5人でホテルに泊まった最後の夜のシーンしかり、列車移動のトンネルに入って表情がみえなくなったシーン、屋上でのソヨンと刑事のシーンなど。
後はやはり、雨のシーン。
冒頭の夜の雨もだし、施設で目覚めた朝の雨も。
更に洗車シーンのずぶ濡れも。
なるほど確かに褒められたことではないかもしれないけれど、彼らは無計画にも過ちを重ねていく。
それは守るものが出来た時の、人と人との連帯感が強くなり、それは生き物による本能的な動機のようにも思われる。
ただし、ラストの、ウソンの未来を考えるべく、みんなで再集合という流れでは、明るい光が指しこんでいく。
-できるだけ遠くへ行って欲しい
-夢の中では雨が全て洗い流してくれているけれど、現実では汚れたまま
雨が降れば、2人で入れる傘があればいい
-1人で抱える必要はない
-生まれてくれてありがとう