ちい

カラーパープルのちいのネタバレレビュー・内容・結末

カラーパープル(2023年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

物語の根底にある「神と赦し」という宗教的心理への勉強不足で、完全に感情移入して見ることができなかったので、私の人生のバイブルになったかという点において星はつけなかったけど、いい映画なのは間違いない。

人種や女性という属性に対する露骨な差別はもちろんだけど、父親のセリーとネティへの価値付けの違い、"ミスター"のセリーとシュグへの待遇の違いに、知性や美しさという外見で判断される現代にも通じる価値観が垣間見えた気がした。これはフィクションだからって言い切れない歴史と現状に対して胸がギュッとなったし、映画を見ながら心の中に大きな石をごとん、ごとんと落とされている気分だった(いい意味で)

強く見えたソフィアも悔しい思いをたくさんしたけれど、そのそばに寄り添えるセリーがいてくれて本当に良かった。そして、セリーが自分の持っている裁縫の技術の素晴らしさに気づいて、自分を邪険に扱うものに立ち向かうエネルギーと環境を得たときの顔が一番輝いていたのが印象的だった。

最後の「セリーの復活祭」は、"家族"の復活祭でもあり、"尊厳"の復活祭でもあったんだろうな。
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