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ボーはおそれている(2023年製作の映画)
4.0
監督自身が「ユダヤ人のロード・オブ・ザ・リング」と宣伝しているようだが、そんな説明をされても、我々日本人にはさっぱり訳がわからない。宗教や民族の記憶をベースに作られた作品だと考えて、肩肘張って見るよりも、宗教・精神分析・母子関係・恋愛などなど様々な要素が張り合わされたコラージュ映画として、緩く楽しんだほうが勝ちな気もする。もちろん作中には、ユダヤ人が辿ってきた苦難の歴史(故国の喪失、世界中での迫害、ホロコースト)を想起させる描写が多い。積極的にそういった要素を無視して捨てろとは思わないが、観客には「誤解する自由」があるのだから、インフルエンザ2日目に見る悪夢を見るために、映画館へ行くという気持ちでもいいのでは?