けんいちさんの映画レビュー・感想・評価 - 4ページ目

けんいち

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枯れ葉(2023年製作の映画)

4.0

不器用な男女の話。

何でもない会話、ロシア・ウクライナ情勢を伝えるラジオ放送、そして男女の心情を表しているかのようなメローな歌謡曲。

これらが軽いブラックユーモアと共に淡々と繰り返されるだけなのに
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窓ぎわのトットちゃん(2023年製作の映画)

5.0

黒柳徹子のベストセラーをアニメ映画化。

子供の世界を奇を衒うことなく描く一方で、オトナにしか分からない事象は敢えて細かく説明しない演出が興味深い。

水彩画タッチをベースに、子供の想像力を具現化した
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日の名残り(1993年製作の映画)

5.0

イギリスの名門貴族に人生を捧げてきた老執事の話。

屋敷に出入りする役人達を通して世界情勢を伺うも、当人は外の世界を知らない。

人生に於ける別れや後悔を切なく描く一方、諦念とも思える感慨で捉えている
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いつか晴れた日に(1995年製作の映画)

5.0

三姉妹が多難な恋を通して成長し真実の愛を得るまでを描く。

90年代を代表する傑作。

上品ながら御堅くなり過ぎず、程良いユーモアとテンポで進む。そのバランスが良い。

鬼籍に入られた方も含め、イギリ
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インターステラー(2014年製作の映画)

5.0

人類の存亡をかけて、地球に代わる新天地を探しに宇宙へ旅立つ人々の話。

久しぶりの劇場鑑賞。

科学を超えた愛の力を訴える壮大なストーリー。

無機質だがどこか優しさが感じられる音楽。

そして、ワー
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市子(2023年製作の映画)

5.0

舞台『川辺市子のために』を映画化した人間ドラマ。

不幸が招く負の連鎖を、巧みな時間軸の行き来とミステリータッチで描く。

荘厳なチェロの響きが、全編に不穏な空気を漂わせる。

「でも、幸せな時もあっ
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マエストロ:その音楽と愛と(2023年製作の映画)

4.0

作曲家レナード・バーンスタインとその妻の伝記映画。

モノクロからカラーへの変化、仰々しい音楽の使い方に、往年のハリウッド映画への愛をみる。

退屈はしなかったが、各エピソードが断片的なので感情表現が
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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

5.0

町にチョコレート店を開くため奮闘する青年の話。

王道のミュージカルを、様々な視覚表現を用いて盛り上げる。

『チャーリーとチョコレート工場』のような“毒”は無いが、夢と希望を前面に打ち出した脚本と演
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チャーリーとチョコレート工場(2005年製作の映画)

4.5

不思議なチョコレート工場に招待された子供達の話。

随所にティム・バートンらしさは見られるものの、アクの強さを感じないので、良い意味で気楽に見られる作品。

工場のアトラクションやジョニー・デップの怪
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エクソシスト 信じる者(2023年製作の映画)

4.5

50年後の現在を舞台に描く『エクソシスト』の続編。

前作が1vs1だったのに対して、本作は複数vs複数の戦いに。

伏線を上手く張った“選択”の物語に、神の“奇跡”を見出す。

“続編”として相応し
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ナポレオン(2023年製作の映画)

5.0

フランスの英雄の半生を描いた歴史スペクタクル。

まさに“正攻法”な展開。

戦場では巧みに手腕を発揮するも、私生活では夫婦関係や後継ぎに関して悩む1人の男。

合戦のシーンも含めて、全体的に良い意味
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TALK TO ME/トーク・トゥ・ミー(2022年製作の映画)

4.5

SNSで流行する「90秒憑依チャレンジ」にのめり込んだことから思わぬ事態に陥っていく女子高生の話。

アイデア勝負のネタバレ厳禁映画。

とにかく、オチに唸った。

『シックス・センス』以来と言ったら
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インセプション(2010年製作の映画)

5.0

潜在意識に侵入し、他人のアイデアを盗みだすという犯罪を巡る話。

セリフによる説明が大半を占めるにもかかわらず、何故か面白いという珍しい作品。

夢に階層構造を設定し、それぞれを並行して描くことで緊張
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戦場のピアニスト 4Kデジタルリマスター版(2002年製作の映画)

5.0

ナチスドイツ侵攻下のポーランドで生きた実在のユダヤ人ピアニストの話。

市井の人々の視点でドライに描かれる、迫害とサバイバルの日々に絶句。

終盤のドイツ人将校とのエピソードとピアノの調べが唯一の救い
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ゴーストワールド(2001年製作の映画)

5.0

疎外感を抱えて生きる少女2人の日常を描く。

公開当時「分かる!ホントに分かる!」
今回「分かるよ……でもね…」
時を経て環境や立場が変化したせいか、観る視点にも変化が。

そして改めて、モラトリアム
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⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

4.5

目玉おやじの過去と鬼太郎誕生にまつわる物語。

『犬神家の一族』を彷彿とさせる御家騒動と妖怪の関係性をミステリータッチで。

戦争を背景とした“死の香り”を、独特のカメラワークやライティング、絶妙なカ
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攻殻機動隊 SAC_2045 最後の人間(2023年製作の映画)

4.0

シーズン2を再構成した劇場版。

かつて遠い未来を描いていたシリーズも、どこか現実を後追いしているような展開になっているのが興味深い。

ハッキング時のビジュアルや、人間世界の再構築といったテーマも面
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(2023年製作の映画)

4.5

新しい視点で本能寺の変を描く。

過去の時代劇に敬意を表しつつ、それらを否定していくようなニュアンス。

内容といい出演者といい北野作品の集大成的な位置付けに感じられたが、正直“北野武とビートたけしの
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そして父になる(2013年製作の映画)

5.0

赤ちゃん取り違え事件をベースにした2組の親子の話。

今回の鑑賞で、子供のことを理屈で考える父親と感情で接する母親の違いが強調されていることに気付く。

大人から見た“完璧な親”は、子供から見たそれと
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奇跡(2011年製作の映画)

4.0

九州新幹線全線開通に沸く九州を舞台に描く家族ドラマ。

終始子供目線で見せる世界にエキサイト。

必至に知恵を働かせる子供達と、厳しくも温かく子供達を見守る大人達。

イジメや虐待をテーマにした映画も
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劇場版 シルバニアファミリー フレアからのおくりもの(2023年製作の映画)

4.0

エポック社のドールハウス&人形を3DCGアニメで初映画化。

母親への誕生日プレゼントを巡る、3話+エピローグの構成。

人形や模型の質感が感じられる、子供向けの優しい世界観。

昔見たテレビアニメと
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ディレクターズ・カット JFK/特別編集版(1991年製作の映画)

5.0

ケネディ大統領暗殺事件の謎に迫った社会派ドラマ。

206分という長尺を感じさせない緊迫感と臨場感。
特にラストの法廷シーンは白眉。

本作公開時点では憶測の範疇を超えなかった部分も、映画『JFK 新
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理想郷(2022年製作の映画)

4.5

田舎に移住した夫婦が閉鎖的な村で住民との対立を激化させていく話。

「こういう人いるよね」というレベルを優に超えている御近所トラブル。

事件の顛末よりも寧ろ、それによってどんな心境に至るかを追ってい
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万引き家族(2018年製作の映画)

5.0

家族ぐるみで軽犯罪を重ねる一家の話。

訳あり家族の“訳”を徐々に明かしていく手法とそのタイミング(順序)が秀逸。

何より生きることを優先せざるを得ない人々に、法や倫理は通ずるのか?

完璧な人など
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海よりもまだ深く(2016年製作の映画)

4.5

夢見た未来とは違う現在を生きる元小説家(現探偵)の男の話。

男を通して、自分は何処に向かっているのだろう?、と。

「男は何故、今を愛せないの?」というセリフが胸に刺さる。

今回の鑑賞で、『歩いて
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歩いても 歩いても(2007年製作の映画)

5.0

年老いた両親の元に久々に集った家族の話。

見栄とプライドを優先させてしまう男と、ここぞというところで本音を漏らす女。

何気無い会話と小道具で、家族の可笑しさや悲しさを演出。

“些細ないざこざは時
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JFK/新証言 知られざる陰謀【劇場版】(2021年製作の映画)

5.0

JFK暗殺に関して、新たに解禁された機密文書から事件の真相をひも解いたドキュメンタリー。

事件そのものからその後の展開を分かり易く解説。

証拠品、検死、政治などの観点から、終始ほぼ客観的に事件に迫
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アメリ デジタルリマスター版(2001年製作の映画)

5.0

空想好きな女性アメリの日常と不器用な恋の行方を描く。

日常の些細な出来事の積み重ねで作った世界観を、ブラックユーモアと独特なエフェクトが包み込む。

『必ず誰かが自分を見ている』
『人を幸せにするこ
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誰も知らない(2004年製作の映画)

5.0

母親に置き去りにされた、父親が異なる4人の兄妹の話。

大人を悪く描かない、且つドキュメンタリータッチで描くことで、終始客観性を保っている。

終盤30分の悲壮感には胸を締め付けられるが、ラストショッ
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ワンダフルライフ(1999年製作の映画)

4.0

人が死んでから天国へたどりつくまでの7日間を描いた話。

近年の是枝作品には無い、ファンタジックな作風。

虚実入り混じった独創的なストーリー、意外な人物設定、そして最低限の状況説明と美術で死者の世界
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DISTANCE/ディスタンス(2001年製作の映画)

3.5

カルト教団が起こした殺人事件の加害者遺族の話。

現在と過去を行き来する構成。

互いに核心に触れそうで触れない、(正確には)触れられない微妙な距離感が、全編に渡ってよく伝わってきた。

最近の是枝作
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正欲(2023年製作の映画)

5.0

“特殊な”背景を持つ人々の人生が交差する姿を描く。

多種多様な登場人物を、設定や心情に至るまで見事に捌き切っている。

稲垣吾郎さん演じる唯一“まともな”男の立場が、展開が進むに連れて徐々に揺らいで
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駒田蒸留所へようこそ(2023年製作の映画)

5.0

崖っぷち蒸留所を再興させるべく奮闘する女性社長と新米編集者の話。

ウイスキーの作り方、人間関係などを丁寧に紡いでいき、酒と家族を重ねた喪失と再生の物語に昇華させている点が秀逸。

音楽も爽やかで耳に
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SISU/シス 不死身の男(2022年製作の映画)

3.5

不死身の老兵とナチス戦車隊の死闘を描いた話。

低予算且つ最低限のシチュエーションでも、上手く作っている。

正直、前半は退屈だったが、後半は展開に意外性があって楽しめた。

全般的に思うことは、不死
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ラ・ヨローナ~泣く女~(2019年製作の映画)

4.5

中南米に古くから伝わる怪談「ラ・ヨローナ」を題材にしたホラー映画。

見終わった後、冷静に振り返ってみると、殆ど女の幽霊がひたすら人を追いかけ回しているだけなのだけど、不思議と飽きずに見られた。

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マーベルズ(2023年製作の映画)

4.5

続編は、チームを結成し、復讐を企てる敵と戦う。

3人の場所が入れ替わるアイデアはイマイチ。

悪役に魅力を感じず。

謎のTDL風パレード(笑)に、あからさまなポリコレ。

熱量の高いアクションとV
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