ジュリアンさんの映画レビュー・感想・評価 - 5ページ目

ジュリアン

ジュリアン

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aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)

5.0

個人的な経験を想起させる題材だった。
自分が小学3年生のとき、母は退職して博士課程後期に、父は鬱で休職から退職した時期に父と2人でニュージーランドへ車で2週間旅行した時を思い出した。

親はその時から
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ジョン・ウィック:コンセクエンス(2023年製作の映画)

3.0

アメリカ人が考えるネオ・トキオな日本が好きな気持ちとサイード的な「ファッキン白人め、なんだこのヘイトクライムは!!」という感情との間で心が揺れすぎて集中できなかった。自分がジョン・ウィック嫌いじゃない>>続きを読む

ザ・ホエール(2022年製作の映画)

5.0

人それぞれ生きづらさを抱えていたとしても、プリミティブに素直な状態で他者と関わり、好ましくない相手の他者性を受け入れることが大事なのかな?という陳腐な図式化をしてしまったくらいにはちょっと余白が多い鑑>>続きを読む

ザ・メニュー(2022年製作の映画)

5.0

すごく楽しめたかどうかは置いとくにしても、権威勾配に起因したホラー映画を食事で表現するのは面白かった。

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:VOLUME 3(2023年製作の映画)

5.0

能力の有無によって分断が生じる新自由主義的な状況にも、また安易に福祉国家的な保護にたつのではなく、ありのまま異質な他者と生きるネガティブ・ケイパリティの変奏として本作品を見た。

その上で、他者性をめ
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ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー:リミックス(2017年製作の映画)

5.0

ヒーロー映画界におけるお茶漬け的存在。ヒーロー疲れをさせない。優生学的な話の布石はこの頃からあったのだな。

アントマン&ワスプ:クアントマニア(2023年製作の映画)

5.0

メビウスのバンドデシネみたいな量子世界や、マーベルコミックス好きとしてモードックとカーンが登場したのは嬉しかったが、作品全体としてはそこまで琴線に触れず見終わった。

バービー(2023年製作の映画)

5.0

アナ雪以降の時代様式では、どれだけポスフェミ批評的に興味深い作りになっているかで面白いか面白くないか決まると思っていたので、この「バービー」という映画はそういったマヌエラの最高到達点だと思った。

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トゥルーマン・ショー(1998年製作の映画)

1.0

ジムキャリーの宙吊り感に拍車をかけたのは一目惚れが理由で島から出ようとするところ

ドライブ・マイ・カー(2021年製作の映画)

5.0

自分の周囲に批判的な人が多かったのに反して普通に良かった。批判している人は夏目漱石と言ったら近代的自我みたいな脊髄反射のように類型的な村上春樹批判をしているんかなと敬遠したくらいには。良い時は変奏とい>>続きを読む

グッドフェローズ(1990年製作の映画)

5.0

スコセッシの陰鬱としたコンプレックスをしってから、この既視感ありまくりな破滅的でエロくて魅力的な主人公や男らしさダイレクトな題材選びも止揚の賜物か!と1人興奮した。

フレンチ・コネクション(1971年製作の映画)

5.0

キング牧師暗殺からそう遠くないからか黒人は出てくるし、警察は非道。

これ以前は知らないが、自分が何気なく見てきた警察映画の先行事例なのでは?というくらい既知の要素がいつぱい。

時計じかけのオレンジ(1971年製作の映画)

5.0

京都の暴走族をエスノグラフィーして非行や逸脱の内実を明らかにした本を思い出した。第四空間以外ではいたって普通だったり、仲間内の戯れに過ぎなかったりと。

なんか全体的に暴力の気持ち良さ以上にワンピース
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イージー★ライダー(1969年製作の映画)

5.0

長髪への殺意が高すぎる。
普通に生きてるだけでモーテルにすら泊まれないばかりか殺されるという不自由さ。

卒業(1967年製作の映画)

5.0

ラブロマンスのテイストで、その実やってることが常識から逸脱した三角関係なのが凄いな。僕も理不尽な年増に滅茶苦茶にされたい。

ヘイズコードなくて大正解

2001年宇宙の旅(1968年製作の映画)

5.0

これから町山さんの本を読んで作品解釈に触れたとしても絶対啓蒙されないぞと思いつつ、ジェームズ・ホーガンが『星を継ぐもの』を刊行するよりも遥か前に本作が出来ていたという事実に感情の全てを持ってかれたこと>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

5.0

森見登美彦が熱帯でやろうとして出来なかった円環性やメタ性、二重性を煮詰まらずに提示すると、これになるんかなという奇妙なデジャヴがあった。まぁ、物語という点ではこれも煮詰まってはいるが。

個人的には、
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残菊物語(1939年製作の映画)

5.0

蓮實重彦が溝口健二を見てない奴は日本人じゃないというので、このおっさんを出しゃばらせないためにもZ世代代表として視聴した。指図してくれる大人がいるのは有難い。

3-4x10月(1990年製作の映画)

5.0

追いつこうとしても追いつけずにどんどん進んでいく呆気なさに揺さぶられた。なんだったろうかこれは。

その男、凶暴につき(1989年製作の映画)

5.0

あまり昔の映画をスクリーンで見る機会がないので新文芸坐に感謝。古いからなのか、北野武だからが分からないが、昨今の映画は物語に従属する視覚効果やただもれるダイアログいっぱいなのでは?と新鮮に覚えるくらい>>続きを読む

スタア(1986年製作の映画)

1.0

小説の方が遥かに面白く、ポリフォニーな笑いがあるが、通底にある喜劇を愛する姿勢が筒井康隆の作品だなと身に染みる。

余談だが、ジャズに油画に俳優になんでもできる筒井康隆は作詞作曲も出来るんだと胸を打っ
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怪物(2023年製作の映画)

5.0

最高だった。
最初は「ストレート・アライという役割を負うことに気づいた時には遅かった、2人は2人で先に行った・行ってしまったことを感動的な音楽で締めくくること」に是非を感じ、留保を抱いたが、上述した感
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スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース(2023年製作の映画)

5.0

面白すぎ!
主題は反復することに意味があるよ本当。なんでスパイダーマンの映画って全部翻案?変奏?アブタテーションがうまいんだ。というか、普通だったら使い古された思春期の悶々をクィア的なパーソナリティに
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千年女優(2001年製作の映画)

5.0

原節子はいいね。
現実と非現実とで宙吊りにさせる、あえて区切らないことが本当に素晴らしい。他のアニメーション作家にはこれが出来ない。生きて帰りし物語に収束させる。筒井康隆も今敏もそこが違う。

パーフェクトブルー(1998年製作の映画)

5.0

現実と非現実とで宙吊りになること、この境界を引かない作風が筒井康隆ぽい。バケモノの子?の人はすぐ境界を引くから違和感。

パプリカ(2006年製作の映画)

5.0

原作パプリカ読んで改めて今敏の評価が上がりまくる。
女性誌で連載してたからか、原作パプリカっておじさんが考えたハーレクインロマンス臭が凄かったんだよね。今敏は映画パプリカを作るにあたって上手く捨象して
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ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー(2023年製作の映画)

1.0

みんなが面白いと受容している体験に対し、同質性が高いはずの自分が同様に面白いと思えなかったのは自分の心身に不調があるからなんじゃないのか?という不安が前傾化した。悲しかった。

not for me案
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