きゅうりぼーいさんの映画レビュー・感想・評価

きゅうりぼーい

きゅうりぼーい

我、邪で邪を制す(2023年製作の映画)

3.8


悪名上等
救済殺生

死してなおその名を残し刻む生の証。

全てを失った最狂の破壊者が
囚われた者たちを解放へと導く。

執着の終着点。
生(存在)に囚われた彼自身もまた最後は解放されたのだろう。
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ショーイング・アップ(2022年製作の映画)

4.0


〝私〟の世界と
〝私たち〟で生きていく社会の狭間。

思い通りにならない人生(=陶芸)の物語が、想像を創造し、〝私〟を事物化していくアーティストの日常を通じて描かれていく。

〝生き物〟に悩まされ〝
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テルマ&ルイーズ(1991年製作の映画)

4.0


支配と束縛、
社会の空気と掟。
私たちを取り巻く全てからの
解放と開放の逃走旅。

もう誰にも縛られたくない。
もう誰にも止めさせない。

こんな私がいたんだ。
これこそが、私なのだ。

私が私にな
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マッチ工場の少女(1990年製作の映画)

3.8


家族にも、「この人かも」と期待した男にも見放された少女は、この残酷な社会に抗い、日常の破壊へと突き進む。

労働者三部作、最後に見た本作はココではない何処かにすら行けなかった少女の悲しさ、絶望の中を
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パラダイスの夕暮れ(1986年製作の映画)

4.1


本能を刺激する
不器用な言葉の応酬

私にはこれしかないのだと分かっていても、霞む景色の向こう側に夢見る理想郷。

きっとこの人なのかもしれない。
でも分からないし、まだ分かりたくない。

離れてみ
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哭悲/The Sadness(2021年製作の映画)

3.6

正異転じて
狂気、変態、残虐のディストピアへ。

絶対に会いに行く。
再会を約束した男女の運命はいかに。

コロナ禍も相まって、この機に乗じて監督自身に眠る残虐性をココに解放したのでしょうか^_^
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運命のマッチアップ(2019年製作の映画)

3.8


俺たち2人
最強で最高の兄弟(コンビ)だった。

道は違えどバスケを愛したその先で
頂きに立とうとする2人が相対する。

ただ一緒にバスケがしたかった。
その時間が何よりも楽しかった。

自身と向き
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ミス・シャンプー(2023年製作の映画)

3.9


落とした眉毛が恋でした。

才の有無など、意に介さず。
想い続けたら、そのままに。
愛のしぶとさ、ここにあり。

助け、助けられ。
恩返しから始まるヤクザの親分と美容師見習いの春節?恋物語。

出逢
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M3GAN/ミーガン(2023年製作の映画)

3.7

支援か、代役か。
都合の良さをアウトソースしたその先で私たち人類が失うものとは何か。

ネガティブを排除し、最適化を学習するAIに愛は教えられるのだろうか。

目の前の現実と。
今そこに居てくれる者た
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真夜中の虹(1988年製作の映画)

3.8


遺された車に乗って南の旅へ。

こんなはずではなかった現実があれよあれよと舞い込んでは
ここではないどこかに希望を、理想の私を描き道を行く。

乗せていく。
乗っていく。
一緒に乗ってどこまでも。
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ファースト・カウ(2019年製作の映画)

4.1


罪を混ぜ合わせた魅惑の味に
終わりの予感が付き纏う。

生存競争の檻の中。
奪い奪われ、運ばれていく生命の終着点。

鳥には巣を
蜘蛛には網を
人には友情を 

期せずして出会い、成功を夢見
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ミークス・カットオフ(2010年製作の映画)

3.9

目指す彼の地へ
歩みを進める道なき道。

未知に満ちた旅路に
飢えと渇きが視界をボヤけさせる。

道を知る者とその地に根ざす者
募る不信感、信じ疑う心の葛藤が歩みを重くさせる。

分からない故に正解を
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バイオレント・ナイト(2022年製作の映画)

3.7

信じ、願う心が何者を何者たらしめる。

サンタはいる。
そうしてクリスマスは続いていく。

バイオレントナイト。
紅(血)に染まるクリスマス。
サンタクロースハンマーグロテスク。
(言いたいだけ。)
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ウェンディ&ルーシー(2008年製作の映画)

3.9


家と仕事。
自由と縛りは決して相反する概念ではなくて、縛るものがあって初めて僕たちは自由を体現できるのだろう。

私は何者か、自身を何者とするのか。
帰る場所があること、根を張ること。
それがなけれ
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オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

4.0

街を抜けて
森の秘境へ

旧友との再会。
社会に馴染んだ者と染まれなかった者の旅路。

社会から自然へ
人間からヒトヘ
彩度を上げていく旅の景色と
どこか雲行きが怪しくなっていく2人の関係性。

大人
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ファミリー・スイッチ(2023年製作の映画)

3.5

入れ替わって、体験して

無関心から関心へ
苦労を知る、想いを知る

不和から和へ
壊れた物が元に戻る。
止まらないウォーカー家に
クリスマスの奇跡はやってくる。

何だそれ笑
何してん笑
何でそうな
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リバー・オブ・グラス(1994年製作の映画)

3.9

きっかけさえあればと
アンテナを張ってみては
衝動にまかせて足を運んでみる

いざ何かが始まってみれば
思い描いていたような景色はどこにもなくて、思い知らされる現実を前にして眉間に皺を寄せる。

ロー
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ハロー!?ゴースト(2023年製作の映画)

3.9


生きている状態にあること
生きている実感を得ること

1人でいること
独りと感じること。

同じようで、少し違う。

寄って、寄りかかられて。
確かめ合う鼓動を通じて生を知る。

見て、聴いて、感じ
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終わらない週末(2023年製作の映画)

3.9

この世のありとあらゆるものを分けて、分けて、「分かった」としてきたのが人類の歴史と進歩なのだろうな、というのがここ数年でたどり着いた自分なりの答え。

分けたい。
分かりたい。
それが人間のもつ性の一
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バトル・インフェルノ(2019年製作の映画)

3.7

神の導きか、悪魔の仕業か
Netflixで見たかった映画が何故か再生できず、急遽アマプラで見るものを探している中気づけば再生を押していた本作。

イメージか、命か。
地獄の懺悔配信が今、始まる。

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ヴィーガンズ・ハム(2021年製作の映画)

3.7

肉への愛情。
肉食への憎悪。

その味の魅惑に取り憑かれたとき
倫理道徳の壁は取り払われ
常と異常は一体となり日常となる。

狂気が過激を狩り、捌いていく。
その光景に両者の違いが現れていてなんだか新
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MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない(2022年製作の映画)

4.0

自分だけの世界に浸っていてもいいけれど、この世界に存在するのは決して私1人だけではない。

他者と繋がり、世界は広がる。
自己と繋がり、世界を受け入れる。
今まで見てきた視野と視点の外に目を向け突き進
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search/#サーチ2(2023年製作の映画)

3.9


人生に、Googleはない。

しかし、
Googleには、人生があるようだ。

べイビーわるきゅーれ(2021年製作の映画)

4.0

やっとこさ見た。
語彙を無くして言えば最高でした。
公開時の熱の中で見たかったなってちょっと後悔しちゃうよね。

サタデー・フィクション(2019年製作の映画)

4.0

⁡※再掲

愛の記憶が男を惑わせる。

憧れ、慕う存在を前に
女は自己を開示していく。

信じる想いが
男女を再び彼の地へと引き合わせる。

行き来する虚構と現実。
隣り合う生と死。
芽生える情
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エル プラネタ(2021年製作の映画)

3.8

乖離する理想と現実。

たとえ偽りだとしても、
いつか本物になるようにと、理想を着飾り、纏う、そんな日々積み重ねていく。

期限付きの足掻き。
やがて訪れるFIN。

どれだけ日々を彩っても、後に残る
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バグダッド・カフェ<ニュー・ディレクターズ・カット版>(1987年製作の映画)

3.9

異和が和む。
それぞれが自己を取り戻していく。

最初はなんのこっちゃか分けがわからなかった。
なのに気づけば不思議と心を掴まれ、画面の向こうの不器用で個性的な人々が送る日々に目が離せなくなっていた。
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宇宙探索編集部(2021年製作の映画)

3.8


不確かであることの不安と恐怖。
未知であることの希望と浪漫。

地球外生命体。
その未知なる者の存在を信じ、追い求めた男が果てなき旅の末に辿り着いた〝答え〟とは。

私たちが「宇宙」と名付けた
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黒の教育 ディレクターズカット(2022年製作の映画)

3.8


卒業式を終えた夜
闇夜を照らすネオンの下
3人の青年たちが自身の闇の一面を明かし合う。

やがて別々の道を歩むことになる岐路の手前。
永遠の友情をかけた試験は、いつしか人間性を測る試験へ。
彼ら
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ロスト・イン・ザ・スターズ/妻消えて(2022年製作の映画)

3.8

旅行先で失踪した妻
後に現れた妻を名乗る見知らぬ女性

妻の身に一体何が。
この女性は一体何者か。
何かの事件に巻き込まれたのか。
そもそも自分がおかしくなってしまったのか。

ありとあらゆる謎を
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ママボーイ(2022年製作の映画)

3.9

⁡自意識が邪魔して人に何かをオススメすることがなかなか出来ない自分だけど、おすすめの台湾映画を聞かれたらこう答えようと思ってる作品の一つが、本作の監督でもあるアービン・チェンの『台北の朝、僕は恋をする>>続きを読む

アナザーラウンド(2020年製作の映画)

3.9

いつかきっと
そうしてただ待つだけの日々に
人生の変化は訪れない。

0.05%

ちょっと前向きに
少しでも能動的に
そうして行動と言葉を共にできたなら、きっと世界はその様相を変えていくだろう。
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