映画ケーン

Cの映画ケーンのレビュー・感想・評価

C(2011年製作のアニメ)
3.3
序盤は面白かったのに後半に行くにつれて退屈になった。前半は結構ワクワクした。

背景は多分写真をトレースしてるんだと思うけど、やっぱりパースがしっかりしてる絵は人がそこに存在する様に見える。現実世界と地続きの世界がそこにある。

続けて、深夜、24時間営業のコンビニ看板の奥にはスカイツリーが煌めいてる皮肉なカット。
『ブレイキング・バッド』はアメリカの大学の費用、医療費、生活費に掛かる莫大な金を集めるには薬を売るしかない、という皮肉の作品だった訳だけど、今作はもはやそれが日本にも言えるという事に気付かさせられる。
日本はアメリカに比べて保険は充実してるからその面では掛からないけど、社会構造自体に先進国特有のガタが来てる。資本主義の欠陥。

と、「おお、これは面白そうなアニメだ!」とワクワクしたものの、結局は良く分からない感じに。

「未来の為に戦うんだ!」と言いつつ抽象的な話ばかり。経済の話をしてて「この国は末期」とか言ってるけど、具体的な話が全く出て来ない。「日本はヤバいんだ!どうしかしなければ!」みたいな事を語る割にこのアニメが日本経済を動かす様には思えない。
『キーチVS』みたいに荒唐無稽だけど、説得力が異常な位のものをぶつけて欲しい。
「未来が無いなら現在がある意味が無い」と、抽象的な話で濁してるか、作り手がその抽象性に酔ってる。「会話で説得」みたいのは映像的じゃないよ。

「金が全てじゃない」と言いつつ金を使って戦う、ってテーマと設定が合ってない気もする。武力行使でもある。毒になる様な説得力も無ければ、薬になる様な正しさも無い。

アセットが何が出来て何が出来ないのか分からないからアクションがハラハラしなくて面白く無い。かと言って、見せ方が上手い訳でも無く。最終話は喋りながら戦うって、日本のアニメはいつまでこんな事やるの。
台詞を入れなきゃアクションシーンの間が持たない。アクションが面白く無い事に作り手も薄々気付いてるんじゃないか。

あと、7話みたいのは要らない。説明台詞と回想が多い。その割に会社の内実とか諸々説明不足。そんで説教めいて来た。

今だに外国人が話す英語が嘘くさい。
マサカギのキャラ造形もどこかで見た感じ。
それに結局は世界が滅亡する様な『エヴァ』みたいな画を見せられる。

結局はそこらのアニメと同じ。
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