とんでもないアニメに出会いました。
これは、バンドものやアイドルもののアニメといえば名前の挙がるタイトルを鑑賞したからこそわかる、これらのタイトルの礎でもあり、系譜の出発点であり今でも時代に流れる通奏低音に他ならないと思う。
今でこそ様々な作品で見られる、限られた時間の中で学生である若者が「今」という時間を精一杯享受できることの絶対的な価値の物語を、すべてこのアニメが2007年にやっている。
学生という立場にいることができる数年間の価値をここまで説得力を持って語れる強さ。
人生の進路の選択の自由が少しずつ広がっている今、学校に通う価値を問う物語が皮肉にも現代に先見の明として響くものとなっている。
ワクワクとキラキラを出発点とし、終わりゆく学園と過ぎていく時間を前に如何なる価値を見出すのか。その価値のために行動し時間をかける理由は何なのか。
その答えと言うべきものが5話の「トモダチからナカマヘ」というたった一文に込められるまでの過程が丁寧で、何ともいえない感動に文字通り襲われ涙しました。
物語の展開が荒いのではなく、心から発露するエネルギーを行動で見せ、象徴とする場面や歌で見せる。某アイドル作品に息づいている。
opとedの曲の歌詞も実にいい。
大人になっても「まっすぐゴー」と拳を強く空に突き出せる心が私たちにあるだろうか。
個人的に今のタイミングでこのアニメを観ることができてよかった。この作品に宿るものを抱えて前を向いて生きていけると感じた