鬼雀

デリコズ・ナーサリーの鬼雀のネタバレレビュー・内容・結末

デリコズ・ナーサリー(2024年製作のアニメ)
1.0

このレビューはネタバレを含みます

意地と根性で最終回まで乗り切った…本当に苦行だった。

便宜上スコアを1にしてるが、出来ることならマイナスにしてやりたいほどひどい出来だった。

動画としての品質、ストーリーとしての構成、演出としての音響、それら全てが邪魔と無駄の押し売り…ここまで酷い完成度の代物を久しぶりに観た気がする。

タイミング的に、夏アニメ後期にようやく船出し、秋アニメ枠も食った訳だがそうまでして、コレを放送して誰に特があるのか…

元は「TRUMP」シリーズと呼ばれる、舞台演劇らしい…

吸血鬼の貴族が、仕事と子育ての両立のため仕事仲間みんなで、子育てしながら仕事しようぜ!とよく解らん勢いで、託児所(ナーサリー)を結成する。

前半は子育てに当てて、後半(10月以降の放送分)はようやく事件捜査…
というより、子供が全員敵の人質にされた事で、子育てする必要がなくなっただけ…

イニシアチブ、繭期など独特な言い回しの用語が多いため、いちいち説明が必要。

捜査とは名ばかりの、雁首揃えた首脳会談ばりの会議シーンでの情報の整理や過去話の連続。

とんでもなく、テンポが遅い…

仕事が出来るお貴族様というのは設定だけらしく、国会で居眠りしてるジジイと変わらんくらい仕事が出来てる様に見えない…
その証拠に作中では終始、敵のテロ組織に押されっぱなしだった。

とにかく話がダラダラと、足踏みを続けるため見ていて爽快感が無い。

おそらくシリーズそのものを続けるため、全てを解決する流れに出来ないとか、そんな理由なのだろうが…

単体のアニメとして観た場合の利点が全く活かせていない。

情報量が多いのだから、必然的に間延びを防がねばならないのに、テンポが悪いためイライラしてくる。

なんかもう…イケメンキャラクターで、それっぽい絵を作りたい人たちの趣味動画って感じを全力で感じる。

面白いか面白くないかと聞かれると…『あんまり観たくない』と答える。

情報や世界観の説明が長いくせによく解らないので、全然飲み込めないため、判断が出来ないのだ。

味の無いキャラメルを口一杯に詰め込まれ、咀嚼し続けさせられる若干の苦痛しか解らない…

高評価のほとんどが、本筋の舞台版をガッツリ観た、いわゆるファンの方々…

ただ、このアニメ観て、舞台版やらもろもろのシリーズに、手を伸ばしたくなるか?と聞かれると『ノー』だろう…

どうやら、TRUMPシリーズと呼ばれる作品のメインキャラクターは、今作品のナーサリーに集まった子供達らしい…

つまり独立した作品としての重みより、連続した作品の派生としてのあり方を重視している訳だ。

ある程度の基礎知識が無いと楽しめないコンテンツでは、不特定多数に向けたアニメとしての表現は不適当だと言わざるを得ない。

ともすれば作り手の傲慢さと、ファンに胡座をかいた怠惰さが、目に余る完成度である。
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