このレビューはネタバレを含みます
「この話は実話である」
つまり、実話を元にしたフィクションでは無く「実話」と言っている訳だから、報道事実に基づいたドラマなんだろうと思う。ただかなり脚色はされているんだろうな、という印象は受けた。まあ、ドラマとして面白くしなければ成り立たないので、仕方ないとは思うが・・・結果、かなり面白いドラマに仕上がっている。後半はほとんど法廷ドラマとなるが、その前半と後半のテイストの対比も良かった。
正当防衛と過剰防衛、嘘と真実、無罪と無実、正常と異常・・・どれを取ってもどちらとも取れる事件の扱いの難しさ、そのせめぎ合いに引き込まれる。
1点疑問だったのは被害者ベティの夫であるアランの言動。元々何をするにも感情を出さない人だったのかも知れないが、「何か裏があるのでは?」と思われるような素振りとも取れ、制作側の「捨て伏線」なのでは?と思ってしまう部分はある。もしかして、妻が死んでホットしているのかどうか・・・結局アランの感情がどこにあったのか分からずじまいで、モヤモヤが残る。
それと、ドラマには黒人はほとんど登場しないのも70年~80年代のテキサスの閉鎖的な片田舎・・・という部分を表現するためのリアリティなんだろうなと思う。近年の何でもかんでも多様性で無理やりな人種起用とは一線を画している。
それにしても、アメリカって実際の事件をドラマにする場合が多く、中には係争中の事件でも平気でドラマ化してしまうあたりはすごいな・・と思う。大谷翔平の元通訳による巨額詐欺事件に飛びつくのも「なるほどな」と思う。