シガーandシュガー

翔べ!必殺うらごろしのシガーandシュガーのレビュー・感想・評価

翔べ!必殺うらごろし(1978年製作のドラマ)
-
異端の必殺シリーズ…なるほど。
殺し屋は、修験者とおばさん、男勝りの怪力女性。…うーん、異色。
依頼人は、死人。…たしかに異色。
死人の、あの世からの怨嗟を拾って悪人を殺すわけだから死人がたくさん。その点は見ていてちょっとしんどいけど、中村敦夫が朝日を浴びて死人の声を聞く場面が何度見てもいい感じのクライマックスで、曲がいいのか朝日の演出が(なんか脳のメカニズムに)働きかけるのか、私はここの場面みたさに楽しみに見ていた。

それとは別に、一番深みのある設定だったのが市原悦子演じるおばさんで、火野正平とのかけあいはとても良かった。うまいって気持ちいい。
鮎川いずみの演じる、熊野権現の御札を売り歩く、いつも眠い女の子は、笑えるようでいてなにかものすごく暗いというか、人間の業や生きることのしんどさを感じさせて、意外に重い役だなあと思った。鮎川いずみがめっちゃきれい。
ラストは何らかの悲劇がなくてはおさまらないとは思ってたけど、やっぱり悲しすぎるので、みんな元気で解散という話でもよかったんじゃないかな。どうせ異色なんだから、幸せな解散をして異色を極めてもよかった。