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ミステリと言う勿れのJPのレビュー・感想・評価

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
3.9
面白い!大ヒットも納得の良作!
映画館で観るからこそのジャンプスケア(開幕の大爆発、上から落ちてくる植木鉢、階段での転倒…)が効果的!

僕個人は、ミステリものや推理ものは普段、嫌煙しがちなジャンル。「先読みゲーム」「考察ゲーム」「あなたも絶対に騙される」的な煽りの風潮が苦手で、人間ドラマが取ってつけられたような乱雑さだったり、推理がメインだからこそ、他の要素がものすごく疎かになる作品が多いような気がしている。勝手な妄想かもしれないが。
だが、今作はドラマ版でも割とそうだったように、「ミステリと言う勿れ」のタイトルに偽りなしの、ミステリと人間ドラマのバランスが良く、尚且つ令和の時代に相応しい哲学・精神・価値観が主人公の根底にあるのがすごく良い。
久能整が大学生という設定なのも、今作では特に理にかなっている。
もし彼が高校生だと「なんで妙に大人びた高校生が周りの大人を諭してるんだよ」「社会のことまだ何も知らんだろ」「保護者どこいった」「事件解決してないでさっさと勉強しろ」「高校生のくせになんで暇なんだよ。セトウツミか。」
はたまた彼が探偵業を営む成人男性だと、「説教すな」「探偵が首突っ込みすぎ」「ただの探偵のくせになんか偉そう」となるに違いない。

子供を巻き込むことの罪を描き、子供が呪いにかけられる悲劇だからこそ、子供と大人のちょうど中間にいる「大学生」である整くんが、その呪縛を解く物語として成立するのだと思った。
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