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その夜の侍のmeのネタバレレビュー・内容・結末

その夜の侍(2012年製作の映画)
4.6

このレビューはネタバレを含みます

昔観た映画を見返そうシリーズ!
初めて見た時も好きだ〜!と思ってたんだけど、今見てもかなり好きな作品だった!!
堺雅人演じる中村と、山田孝之演じる木島の対峙を「侍」と比喩するのがおもしろいな〜!

木島って一見すごく非道で嫌な奴だなぁと思うんだけど、特別に極悪非道ってわけでもない、本当はかなり気弱で「普通の人」。なんというか…捨てられた一匹狼みたいな…。孤独で寂しい男なんだな、というのが分かる。
彼の周りには人が集まるけど、その誰もが孤独を抱えてる人たちで、だから木島のような孤独な人間の側に居たくなってしまうのかな。
けど、木島の為に傘を広げてくれる人はいなくて、木島は自分で傘をささなきゃ行けない。体を気遣って煙草をやめろと言ってくれる人も居ない。平凡な話をしてくれる人も居ない。
木島もきっと、そんな風に心から寄り添ってくれるような人間が自分には居ないことに気付いてるんだろうな。

そういうことも感じ取れたからこそ、ラストシーンで中村に「君には関係のない物語だった」と言われるシーンは衝撃だったし、その後に木島がまたカラオケに行くと話してるシーンは、切なくなった。
木島、いいキャラなんだよ〜やっぱり…。「あいつには俺が居ないと…」になる理由分かるもん…(笑)

中村の最後のプリンのシーンも好き!
妻を失い、5年あたためてきた復讐もできず、どうやってこの人生に折り合いをつけるか。
プリンの封を開けないでおくことも捨てることもできないけど、食べないことはできる。
一見馬鹿みたいだなぁと思えるような、笑っちゃうような画なんだけど、中村のケジメが現れているシーンだと思うし、私はすごく好きなんだな〜。

台詞なしの演技シーンが多い映画なんだけど、出ている役者さんたちが皆本当に素敵な演技をするので、それが最高に光る〜!
あとやっぱり泥だらけになりながら対峙し合うノーカットのクライマックスシーンがお気に入り!つい見入ってしまうシーン。
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