エイデン

love×love 男の娘のエイデンのレビュー・感想・評価

love×love 男の娘(2014年製作の映画)
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見た目女の子な女装男子、いわゆる男の娘の恋愛を描く作品

8つのチャプターからなるものの、8種類のシチュエーションで男の娘にまつわる恋愛模様を覗き見れる

演出が謎に捻ってて、自然音すらほとんどなく、BGMに合わせてサイレント映画よろしくセリフを文字タイトルで表示していくという珍しいスタイル
感覚としては恋愛シミュレーションゲームをプレイしているようなもの
とはいえ1人称視点というわけではなく、男の娘と男の娘や、男の娘と男の子といったカップル(もしくはそれ未満)の淡い恋愛模様が描かれる
もうこの時点で「おとこのこ」って打ちすぎてスマホのサジェスト機能がおかしくなってきた

ジャンルが恋愛といっても直接的な描写も無く、ただ男の娘や男の子が戯れたり、恋愛を匂わせる様子が描写されるだけ
チャプターごとに展開されるそれっぽいワンシチュエーションを(チャプターによっては繋がっているものもある)観てキュンキュンさせるのが目的のようだ
作品紹介を調べると「ボーイズラブの集大成!」と出てくるので、ジェンダー表現としての異性装やLGBTを扱っているわけではなく、作品の意図としてはあくまでボーイズラブ作品の延長にも思える
ミュージカル『テニスの王子様』に出演してる俳優を起用していることも推してたので、そういう意味だとボーイズラブが好きな女性向け作品なのかもしれない
なお男の娘キャストは調べてみると、実際に男の娘として仕事をしていた人が引っ掛かるので、普段から男の娘として活動されている方々っぽい
この辺はポリコレ

表記されるセリフもチャプターによっては現実味の無い、恋愛漫画のようなお花畑具合で、鑑賞者の情緒をかき乱してくる(共感性羞恥的な意味で)
恋愛作品としては、男の娘であるということから好きな男の子と互いに一歩を踏み出せないという描写は恋愛ドラマっぽく観られた
それ以外に関しては、もはやセンスの問題レベルには取り留めもなく面白味に欠ける話劇を観ることになるので、男の娘云々以前に人によってはかなりキツいと思われる

製作の経緯は不明ながら、男の娘にハマった何者かがらその良さを布教しようとして産まれたような作品
映画として成立しているかも、男の娘の魅力に気付ける作品かもギリギリだけど、内容も演出も珍しい作品になっているので観ましょう
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