佐藤克巳

不沈艦撃沈の佐藤克巳のレビュー・感想・評価

不沈艦撃沈(1944年製作の映画)
4.5
東宝よりマキノ正博監督、小国英雄脚本、丸山定夫が参加し、国策映画不得手の松竹が、開戦前の諏訪?の魚雷製造工場での海軍からの要請倍増生産達成に揺れる現場の状況が克明に描かれたオールスター娯楽映画の力作。社長東野英治郎と令嬢三浦光子が急遽訪れ幹部会議が開かれる。生産能力の限界を主張する技術者佐分利信と増大可能とする同安部徹が意見対立、東野が倒れ試行錯誤の試みが始まった。現場監督河村黎吉も工員達の奮起を促すが、工員斎藤達雄はギックリ腰を理由に退社一杯呑み屋で戯ける低堕落、工場全体の士気が上がらない。ある時工作機械が爆発し佐分利、安倍が負傷、元教師丸山が教え子海軍少佐高田浩吉に抗議すると、妻桑野通子の心配を他所に高田は海軍の覚悟を堂々と述べた。また、米国製機械を国産に換え、夜勤も厭わぬフル稼働が開始された。そしてラジオから、英東洋艦隊不沈艦プリンス・オブ・ウェールズ及びレパルスが撃沈され、斎藤等は万歳を三唱した。後日、海軍大佐小沢栄が来訪し魚雷製造の感謝と益々の奮起を促した。
佐藤克巳

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