勝木杜郎

おもひでぽろぽろの勝木杜郎のレビュー・感想・評価

おもひでぽろぽろ(1991年製作の映画)
1.0
何も起こらないからには、キャラの表情や仕草、セリフ、音楽など、何かが秀でていないといけないが、私には見つけられなかった。

小説の話になるが、純文学と呼ばれる夏目漱石とかそこら辺の文豪の作品は、圧倒的な表現力で何も起こらない作品を面白くしている。逆に、何か起こってしまってはいけないとも思ってる。それはストーリーに逃げていることになるから。「ストーリーでは何も起こらない」究極の縛りプレイを課すからこそ、一芸に秀でた圧倒的な作品が稀に生まれる。それが純文学というジャンルだと解釈している。『おもひでぽろぽろ』も純文学的なものにチャレンジしたのは評価するが、参加賞以上の評価はない。

正直、過去の行い、特に子供の頃の行いを反省するのは精神的にしんどい。今考えたらなんでそんなことしたんだろうと呆れて嫌になることが多い。この映画も同様に、見ていていい気分はしない。客観的に見ればいいかもしれないが、それは監督の意図とも違うだろう。

私の友人に、学生時代に意地悪な自分だったのを後悔して懺悔の気持ちから色んな同級生に久しぶりに連絡をとってると言ってる奴がいる。世の中には、実直すぎるほど反省したがりな人間がいることは理解している。だから、タエ子の気持ちも少なからずわかる。高尚な行いだと思うが、自己満だろと言われても反論はできない。
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    俺の評価が1番正しい。