十一月

マペットのクリスマス・キャロルの十一月のレビュー・感想・評価

5.0
お話はオーソドックスにクリスマス・キャロルなので何の過不足もないのだけれど、可愛いに可愛いを塗りつけて可愛さ余って可愛さ億千万倍な可愛さでもってフィクショナルな境界線をぬぅ~っと蕩け出させているのに成功していて歌のハッピーさも鬼増し増しで最強。
スクルージがマイケル・ケインなのも毒が効いていて良い、その毒っ気がマペットたちというフィクションを緩衝材的カンフル剤にしたハッピー注射をされることによって抜けていき、やがてハッピーでラッキーな完全人格を構築していくプロセスの強度を高めている。
チープでご都合主義な奇跡だってクリスマスにぐらいはあっていいだろって気持ちになります。

幽霊と彫刻の間みたいなスカルプチャーゴースト念とした造形の未来の幽霊がフューチャリスティックに古びれているって不可解性を発揮していて、とても好き。未来って過去の遺物だし、現在のエコーなんだよねって姿を見ただけで単純に理解できるのもすごい。
十一月

十一月