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飢餓海峡のaminのレビュー・感想・評価

飢餓海峡(1965年製作の映画)
3.6
『砂の器』と比較される理由がよく分かった。確かに似ている映画である。函館、大湊、東京、舞鶴と各地を転々とするのが、類似点でもあり楽しい。映画には旅と同じ側面がある。知らない土地、知らない人、自分の価値観の外に触れる体験、まさに旅である。
映画としては、橋本忍が脚本を書いている『砂の器』の方が見せ場を活かしている感は否めない。原作は松本清張対水上勉。個人的には水上勉も大好きなので、ここはドローとしても、しかし、今作の伴淳三郎の芝居と存在感は、素晴らしかった。正直、三國連太郎と高倉健も良かったけど、それを食っていた。
ショットとしては、東京のドヤ街を歩く左幸子を長回しで映すカメラワークが良かった。横から縦さらに横の動きが珍しい。
あとは三國蓮太郎と左幸子が布団にくるまるシーンが面白かった。時々ショットがハレーションを起こしたように白みがかる演出があったけど、ちょっと多用し過ぎてて、しつこかった。
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