飢餓海峡の作品情報・感想・評価

「飢餓海峡」に投稿された感想・評価

いとそ

いとその感想・評価

4.8
戦後日本の混乱と底なしの貧しさ、その中で交わりを持った男女の不幸な再会。心の飢餓に喘いだ男は海峡の藻屑と消える。原作の魅力を全く失うことなく、それでいてより映画的な面白さを追求している。三國連太郎演じる樽見が八重を手にかける決定的な場面はまさにそうで、八重の情熱がより苛烈なものになっているから、その悲劇の度合いが増す。それにしても三國連太郎は凄い役者だ。
いしが

いしがの感想・評価

4.0
かなりディープに人間の内面を抉った社会派映画でありながらサスペンスとしても滅茶滅茶面白い。
娼婦の健気さに胸を打たれた。
こういう人が奥さんなら一生幸せなんだろうな。
ただ、爪のくだりはドン引き。

このレビューはネタバレを含みます

内田吐夢監督。津軽海峡で共犯の二人を殺した一家強盗殺人放火容疑者の犬飼=樽見(三國連太郎)を追う刑事(伴淳三郎)と、犬飼を慕う娼妓の八重(左幸子)の10年が、戦後極貧状態にある日本の時代背景のもと描かれる。海の荒波、恐山のイタコ、荒野、時々フィルムのネガとポジが反転したような場面など、おどろおどろしい。犬飼の汚い爪を後生大事に持ち歩き、結局心の支えだったその人に殺される八重の悲哀。犬飼の過去が明らかになるにつれ、刑事たちが主にダイアログで「貧乏人の金に対する恐ろしいほどの執着」を暴いていく過程が面白い。
最高の邦画!

長い作品だけど、
全く飽きずに観れる!

生きる為に必要なこと、
必死さ、愛等 色々見所はあるけど、
とにかく全体を通して 楽しめる映画!

このレビューはネタバレを含みます

まず脚本が素晴らしく、183分という長時間の中だれるところがない。
むしろこの時間が10年越しの事件を描く上では必要であり、正に傑作と言えるであろうこの作品に箔を付けているようでもある。

最初から犯人は分かっていても、そこにどんどんと新たな事実が付け加えられたり明らかになっていくので、面白く飽きない。

どの俳優を見ても凄く味があるが、特に三國連太郎の存在感は抜群。
佐藤浩市の方を良く知ってる世代からすると、さすが親子で似ていると思った。

刑事達と共に北海道へ移動してまだまだ続きそうだという中、突如樽見京一郎が海へ飛び込んで終わりを迎える展開には驚く。
まこと

まことの感想・評価

3.9
十年の歳月を経て

真実は海を越え山を越えて

ようやく白日のもとに晒される


女は文字通り「爪痕」を残し

男は重い重い悲壮感を抱きかかえ

澪の底に沈んでいく
Tyga

Tygaの感想・評価

3.8
信じること、信じ続けることの難しさ。
そして、すべて水泡に帰す。
しかし、そこに命の炎が燃えていた証の灰がのこる。

冒頭の北海道の列車からの逃走と津軽海峡の一連のシーンからはじまり、緊迫感で一気に持っていかれる3時間。

ただ、序盤の点と点が繋がっていくサスペンスな感じや、八重のパッション溢れる愛でぐいぐい押してくる中盤と来たので、人間の業を炙り出す終盤の刑事たちの追い詰めの甘さが多少気になった。
なお

なおの感想・評価

4.0
超大作映画!
モノクロで3時間はしんどいかと思ったが
あっと言う間の3時間で、何より話がめちゃくちゃ面白い。

歴史に残る傑作映画。
アメリカが、風と共に去りぬ
フランスが、天井桟敷の人々
とするならば、
日本はこれだと思う。

七人の侍の方が良く出来てはいるけど、日常が舞台なだけに、リアルさや戦後直後の日本を知れる面白さなどは こちらの方が上かもしれない。
古臭い演出や、説明過ぎるセリフは多々気になるが(独り言が多いw)…丁寧な話運びでとても分かりやすい。

貧乏故に起きてしまった悲劇。
同情の仕方が日本的で海外には無い様な展開がとてもいい。

これこそまさに埋もれてしまった名作だと思いました。
って私が知らなかっただけかな〜( ̄▽ ̄)笑
小指の爪だったら証拠にならなかったのに…

弓坂刑事が犬飼に言った〝あんたが歩んできた道には草も木も生えんのですか?〟が心に響いた。
せめて自分の歩む道に苔ぐらいは生やそう!
Kuma

Kumaの感想・評価

3.3
「ああ無情」のジャンバルジャンさながらのストーリー。
長い、とにかく長い。しかし重厚で、さりげなく進む展開が面白い。

ラストの後味の悪さ…でもだからこそ、この物語に救いが見える気がする。
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