飢餓海峡の作品情報・感想・評価

「飢餓海峡」に投稿された感想・評価

東映が誇るサスペンス映画の傑作。3時間超という大作だが、その長さを感じさせないくらい時にハラハラし、時に情緒が揺すぶられる素晴らしい作品であった。本作は前半と後半に分けられると思うが、やはり三國連太郎の前半と後半の演技の違いが凄まじい。彼の周りの環境や年数から生じてしまった人としての過ちをしっかりと演じきっている。脇役も申し分ない。特に老刑事のあの人は本当にくたびれていて、それでいて目は死んでいない渋さが滲み出ている。古い映画や白黒映画に抵抗が無い人は是非とも観て欲しい。そしてこの映画を教えてくれたエガちゃん、本当にありがとう。
友人のお勧めで。

青函連絡船の遭難事故で乗員名簿にない遺体が二つ発見される。この二人が何者なのか?事故死なのか?殺人なのか?というところから、長い年月をかけてこの事件の真相が明らかとなるというサスペンス映画。

雰囲気的には「砂の器」を思い出させる作り方ですが、私はこっちの方が好きかなぁ。

三國連太郎さんの前半と後半での演じ分けがすばらしいし、三國さんの心理を表すかのような画面の白黒の反転とかが効果的でかつ恐怖を感じられる演出でよかったなぁと思います。左幸子さんも熱演!それと戦後のごちゃごちゃした街、危険と隣り合わせな雰囲気がすごく伝わり、印象的でした。

ストーリーとしても犯人を追う刑事側のストーリーと、恩人として慕い続ける女の物語という2本の筋が最後につながっていくところが見事です。ラストは読めるけれども、主人公の気持ちの中の気真面目さが感じられてこのラストしかなかったな…と思いました。

3時間の大作で、見ごたえ十分です。
東映が誇る日本映画の傑作!

1979年12月16日、高田馬場・ACTミニシアターで鑑賞。

三国連太郎の犬飼多吉(あるいは樽見京一郎)、左幸子の杉戸八重、伴淳三郎の弓坂刑事、この3人を中心に物語が成立している。
この3本柱は骨太であり、青函連絡船での事件から舞鶴まで、一気に見せてくれるドラマは見どころ多数。

犬飼が八重に初めて会うトロッコであるが八重が差し出した握り飯をむさぼり食う犬飼、青函連絡船遭難事故のタイミングでの殺人を想像する弓坂刑事の反転映像、青森県恐山の異様な雰囲気などなど、素晴らしい場面の数々は忘れられない。 

水上勉の推理小説を映画化した作品であるが、原作は映画を観てから読んだ。こちらも良かった。 

東映が誇る日本映画の傑作である。
貧富の間に横たわり人を飲み込む荒れ狂う海峡。前半の北海道シーンはまるで旧ソ連映画みたい。@amazon
飛行機

飛行機の感想・評価

2.0
前半は良かったのに後半の失速がひどい
チエの父親の証言で捜査せずとも犯人がわかってしまう
犯人に突き付ける証拠も過去の筆跡だけじゃ逮捕できないのでは?
3時間の長尺だが、意外と筋はぶれてない。清濁すべてを海峡へ投げ打つラスト恐ろしい、太陽がいっぱい、砂の器を彷彿とした。泣きで終わらせない。ヒロインの左幸子の純真さは狂ってるように見えるが、過酷な毎日への反動か?
くぅー

くぅーの感想・評価

4.2
リアルな人間ドラマと社会派サスペンスが見事に組み合わさった屈指の大作で名作。
実際起きた沈没事件と大火に着想を得て、殺人事件と逃亡劇を組み込んだイントロに、恐山でのホラーとエロチックな演出にと、序盤だけでもかなりの見応え。
中盤の老刑事の追跡描写はややダレるも、終盤のサスペンス劇できっちり盛り返し、海峡を渡った三者三様の姿を骨太に描き切った内田吐夢監督の手腕に脱帽。
あのラスト、“戻る道ないど~、帰る道ないど~”って呟きが頭の中でリフレインしましたね。
cinefils

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4.1
伴淳三郎が交番で警官に聴き込みをしている背後で動くバス、上京した左幸子が飲み屋で客引きをしていて手入れから逃げる場面のワンショット撮影など、さすがサイレント時代からの巨匠の空間感覚は凄い。

三國連太郎が容疑者になってからは少しトーンダウン。

ラストは普通に考えれば警察の大失態なのだが、それを別にすると、内田吐夢の遺作になった「真剣勝負」のラストの呆然感にも微かに通ずるかも。こちらの方が重厚な感じなので観客も一応は納得したのだろうけど。

所々ネガ反転する画面には時代を感じる。
「おらのあと、ついてきたんでしょう」とうれしそうな左幸子がすごくよかった。親切なふつうの人を人殺しにしてしまう、貧しさの怖さ。
yoruichi

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3.6
モノクロの迫力。実際に起こった洞爺丸沈没と岩内大火をベースにした強盗放火殺人。飢餓と貧困、人間の心も善悪を無くす。高倉健さんの使い方が贅沢。なかなか登場しないので 不安になる笑。そして 三国蓮太郎、当時から異質な凄みがあったようだ。この頃の役者達は 重厚。3時間の長さを飽きさせない。ラストは バレバレではあったが笑。
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