飢餓海峡の作品情報・感想・評価

「飢餓海峡」に投稿された感想・評価

初めてスクリーンで鑑賞。久しぶりに見たのでストーリーの細部を失念しており、とても新鮮。
三國、左、伴の演技合戦に酔いしれる。
こんなに激しくカメラが動き回っていたとは。
三國が演じた犬飼という人物の闇の底知れなさ。全編を覆う濃密な死の気配。
傑作中の傑作。独り言の説明セリフがちょい気になった。それ以外完璧。
派手なシーンが出にくいサスペンスにおいて、地理的条件により、緊張感を維持する。三國連太郎が見事。
HACHI1965

HACHI1965の感想・評価

5.0
HDリマスターを強く希望する。原作水上勉、監督内田吐夢、俳優陣には三国蓮太郎、伴淳三郎、左幸子、高倉健等まさに夢の競演。邦画超大作にして傑作上映時間3時間と長いが、鑑賞してない多くの方々に強くお勧めしたい、そう思わせるだけのもの凄い作品。

"この世で最も恐ろしい生き物は、欲望、好奇心、畏れと云われる"業"を抱え持つ
人間だと知らせられる"
嗚呼、、、なんと隙のない

クラクラするくらい脚本が良い
久々エモーショナルになれましたよ

ほんと千鶴さん可愛そうで仕方がない。が、時代が仕方がなかった、とも言えてしまう。誰しも貧困を味わえば、我が身可愛さに何をするかわからない。根から悪い人などいない、、、海峡の荒波を映すラストシーンはそんな哀愁を帯びていた。

だがしかし、映画である意義をそこまで感じられないのは何故だろう。
もちろん、三国蓮太郎、高倉健、両人の演技は凄まじく、それに加えて函館下北間を通る飢餓海峡のスペクタクルには圧倒させられる。しかし!!!、、もっと観客との距離を置いても良かったのではないだろうか、、、なんとなく演出が過剰に親切だと思わされた。それは回想シーンやセリフの補完など様々だが、後半こそ観客全員が映画に釘付けになっていることを考慮して、三国蓮太郎の言葉が嘘か真か、刑事である高倉健と共に考えさせて欲しかった。そうすればもっとドキドキしたのにな、と思うし、事件解決が本作の結末では無いだろうし、、、



川島雄三の墓目的で下北観光の後、大湊線で下りながら本作を鑑賞。川島作品チョイスしたかったけど、彼は故郷が嫌いだったみたいだし、どーせなら下北舞台の作品をと思いこちらを選択。
いやはや凄まじい臨場感
楽しい旅だったな、また来よう
内田吐夢作品と言えば「宮本武蔵」五部作。
なぜなら、地元放送局KBS京都でこれが年末年始に朝から晩まで「猿の惑星」シリーズなんかと隔年くらいのペースで放送されており、幼き頃にそのヘビーな時代劇をおばあちゃんと蜜柑食べながら一緒に見て強烈に刷り込まれている。
当時KBS京都はあの許永中の持ち物であったわけだが、東映の不調時の救済に、またKBSの番組編成の弱さから、放映権を買い叩いていたのではないかと想像する。

本作は長らく弟から勧められていたのだけど3時間の長尺ゆえ手が出ず、
「宮本武蔵」シリーズの監督と最近認識し、漸く観ることに。

津軽海峡を襲う暴風雨と青函連絡船の転覆事故。
そして大火。
すわ、ディザスタームービーかと思わせるエキサイティングなオープニング。

函館、下北、東京、舞鶴、
物理的な距離と長い年月を超え、
女の純粋な感謝の念と男の隠し切れない業が産むドラマ。
2人の邂逅シーンの果ての姿があまりに壮絶。

三国連太郎の後半のシレっとした佇まい。
左幸子の幸福に対する無垢な祈りと感謝。
伴淳三郎の訥々とした沈んだ表情。
高倉健の真っ直ぐな正義感。

詳しく語れる知識は持たないが、水上勉原作の所謂社会派ミステリーの萌芽を映画作品に初めて昇華させたのが本作なのだろうと思う。
後の松本清張原作の作品よりも前に、内田吐夢監督が乾坤一擲を放った完成度の高さに驚かされた。

コメディアンとして大成功を収め、50歳超えてかようなシリアス作品に挑んだバンジュンこと伴淳三郎。
なんでも、内田吐夢監督からはボロカスに演技指導されたらしく、その憔悴し切った表情が作品に出ているという。
監督の力量を思い知るエピソードだ。

洋邦問わず社会派ミステリーやサスペンス作品の頂点に立つような情念に満ちた傑作。


〜〜

東映W106形式なる手法で寒々しいザラつきのある映像を作っているらしい。

いつ見ても爺役の加藤嘉。
本作公開時はまだ52歳くらい。
ボロボロの貧乏爺一択の役者人生恐るべし。

冨田勲の音楽も素晴らしい。
重厚で濃厚。
ダレる箇所もまぁあるが、全て凄みが今とは違う。段違い。
mktknk

mktknkの感想・評価

5.0
問答無用。空前絶後。
内田吐夢、という言葉はもはや四字熟語である。
東映が誇るサスペンス映画の傑作。3時間超という大作だが、その長さを感じさせないくらい時にハラハラし、時に情緒が揺すぶられる素晴らしい作品であった。本作は前半と後半に分けられると思うが、やはり三國連太郎の前半と後半の演技の違いが凄まじい。彼の周りの環境や年数から生じてしまった人としての過ちをしっかりと演じきっている。脇役も申し分ない。特に老刑事のあの人は本当にくたびれていて、それでいて目は死んでいない渋さが滲み出ている。古い映画や白黒映画に抵抗が無い人は是非とも観て欲しい。そしてこの映画を教えてくれたエガちゃん、本当にありがとう。
友人のお勧めで。

青函連絡船の遭難事故で乗員名簿にない遺体が二つ発見される。この二人が何者なのか?事故死なのか?殺人なのか?というところから、長い年月をかけてこの事件の真相が明らかとなるというサスペンス映画。

雰囲気的には「砂の器」を思い出させる作り方ですが、私はこっちの方が好きかなぁ。

三國連太郎さんの前半と後半での演じ分けがすばらしいし、三國さんの心理を表すかのような画面の白黒の反転とかが効果的でかつ恐怖を感じられる演出でよかったなぁと思います。左幸子さんも熱演!それと戦後のごちゃごちゃした街、危険と隣り合わせな雰囲気がすごく伝わり、印象的でした。

ストーリーとしても犯人を追う刑事側のストーリーと、恩人として慕い続ける女の物語という2本の筋が最後につながっていくところが見事です。ラストは読めるけれども、主人公の気持ちの中の気真面目さが感じられてこのラストしかなかったな…と思いました。

3時間の大作で、見ごたえ十分です。
貧富の間に横たわり人を飲み込む荒れ狂う海峡。前半の北海道シーンはまるで旧ソ連映画みたい。@amazon
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