飢餓海峡の作品情報・感想・評価

「飢餓海峡」に投稿された感想・評価

cinefils

cinefilsの感想・評価

4.1
伴淳三郎が交番で警官に聴き込みをしている背後で動くバス、上京した左幸子が飲み屋で客引きをしていて手入れから逃げる場面のワンショット撮影など、さすがサイレント時代からの巨匠の空間感覚は凄い。

三國連太郎が容疑者になってからは少しトーンダウン。

ラストは普通に考えれば警察の大失態なのだが、それを別にすると、内田吐夢の遺作になった「真剣勝負」のラストの呆然感にも微かに通ずるかも。こちらの方が重厚な感じなので観客も一応は納得したのだろうけど。

所々ネガ反転する画面には時代を感じる。
「おらのあと、ついてきたんでしょう」とうれしそうな左幸子がすごくよかった。親切なふつうの人を人殺しにしてしまう、貧しさの怖さ。
yoruichi

yoruichiの感想・評価

3.6
モノクロの迫力。実際に起こった洞爺丸沈没と岩内大火をベースにした強盗放火殺人。飢餓と貧困、人間の心も善悪を無くす。高倉健さんの使い方が贅沢。なかなか登場しないので 不安になる笑。そして 三国蓮太郎、当時から異質な凄みがあったようだ。この頃の役者達は 重厚。3時間の長さを飽きさせない。ラストは バレバレではあったが笑。
東映が誇る日本映画の傑作


1979年12月16日、高田馬場・ACTミニシアターで鑑賞。

三国連太郎の犬飼多吉(あるいは樽見京一郎)、左幸子の杉戸八重、伴淳三郎の弓坂刑事、この3人を中心に物語が成立している。
この3本柱は骨太であり、青函連絡船での事件から舞鶴まで、一気に見せてくれるドラマは見どころ多数。 
犬飼が八重に初めて会うトロッコであるが八重が差し出した握り飯をむさぼり食う犬飼、青函連絡船遭難事故のタイミングでの殺人を想像する弓坂刑事の反転映像、青森県恐山の異様な雰囲気などなど、素晴らしい場面の数々は忘れられない。 

水上勉の推理小説を映画化した作品であるが、原作は映画を観てから読んだ。こちらも良かった。 

東映が誇る日本映画の傑作である。
マツダ

マツダの感想・評価

5.0
とてつもなく圧倒された、3時間あっという間
三國連太郎がとても良い
映画館で観れて本当に良かった
Ryosuke

Ryosukeの感想・評価

3.6
主要な役者陣の演技は味があって素晴らしい。特に、後半の主人公はすっかり洗練されたように振る舞いながらも、感情が高ぶると前半で見せていたような素が出てしまうのだが、三國は難しい役をしっかりと演じ切っていた。八重役の左幸子も布団にくるまって主人公に迫るシーンや彼の爪を愛でるシーンではかなりの迫力を放っていた。ただ、独り言で心情を説明するようなシーンが何度かあるのは少し気になった。(脚本の問題だが。)
主人公の不安定な精神状態を白黒を反転させて表現したり、刑事の想像上の出来事をべったりと塗りつぶされたような映像で見せたりという工夫がなされている。
消したい過去を持った成功者の主人公が秘密を守るために犯す殺人、ラストの方で刑事の会議の中で主要人物のバックグラウンドが明かされていく構成等は「砂の器」を想起させる。
ラストは何となく予想できていたが、タイミングが絶妙だったのと、その後の静かに映し出される海とのギャップで衝撃的に仕上がっていた。
しかし、正直これで三時間は長い。これだけの時間があったにも関わらず主人公の心情描写はそこまで細かく描かれていない。特別美しい映像という訳ではないのに、無駄に冗長なカットも多い。もっとテンポよく編集してしまってもよかったのではないかと思う。(内田監督は勝手にカットされたことにお怒りだったようだが。)
ラピュタ阿佐ヶ谷の三國連太郎特集にて。随分前に一度観たが、今回観て改めてその面白さに圧倒された。戦直後に起こった青函連絡船遭難事故の裏側で起こった放火強盗事件と殺人事件を題材にした物語だが、事件の陰に貧困にあえぐ当時の人々の苦しみや哀しみが絡み合い、やるせなく切ない気分になる。3時間を超える大作だが、全くその長さを感じさせず、事件の真相に徐々に迫って行く緊迫感からスクリーンに釘付けになった。犯人役を演じる三國連太郎はもちろんだが、事件を執拗に追うベテラン刑事を演じる伴淳三郎がとても良い。日本映画史に残る名作の名に恥じない見事な作品。
前情報もなく観賞
凄い映画だった
心に刺さるようなセリフも多く
長尺だけど時間を感じことなく一気にみれる
Aki

Akiの感想・評価

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新・午前十時の映画祭にてデジタルリマスター版を鑑賞。3時間越えの大作だが圧倒された。16mmで撮ったとは思えない映像で、当時としては珍しくアップを多用して表情を浮き彫りにしている。さすがにラストの尻切れ感は残念で、噂される完成当初のノーカット版を是非観てみたいと強く思った。
自分は映画を観るとき、割と時計をみたりする しかし、この映画は観はじめてからすぐに映像に引き込まれ、3時間あっという間だった
東北の舗装されていない道路、東京に出稼ぎに行った八重の友人は小屋に住んでいた
戦後の混乱期はこんなにも日本は貧しかったのか
サスペンスとしてはこれといったものではない(そもそも、警察は決定的な証拠を見つけられていない)が、ヒューマンドラマとしては傑作だろう
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