To do 1. 神父を訪ねる
癌告知5分後 というピンクの付箋が映像にポップに貼られているけれど⋯
胃癌のステージがわかり易く表で示されるけれど⋯
軽快な音楽とは裏腹な映像
淡々と諸事情を語るナレーション
本棚、ノート
トーストにマーマレード?を塗る 食べる 「会社 命」と意気込み 玄関を出る
タクシー運転手にコースを指定する
「蛇足でございますが 何事も事実を正確に把握し
自らの手で 物事を進行したいというのが 私の性分でございます
そんな私にとって 死に至るまでの段取りは 人生最後の 一大プロジェクトでございます
ガン告知のあと まず最初に取り組んだのは ”エンディングノート”といわれる マニュアル作りでございました
これはまぁ 簡単に申しますと遺書なんでございますが 遺書よりはフランクで 法的な効力を持たない 家族への覚え書きのようなものです」
カメラの画質、画角、編集、音楽、ナレーションの声色、砂田さんの人柄 等が、身構えていた私の、作品に対する姿勢を正してくれる。
入社以来 営業畑一筋
カトリックの勉強をさっそく始める
30を過ぎて嫁に行く気配のない次女がカメラで追い回す。
to do 2. 気合いを入れて 孫と遊ぶ
映像の中の全く見知らぬ家族を、間近に、親しみやすく編集することで、病という重いテーマでありながら、他者と隔てず、自分もその家族の一員のように感じられる。
大量のにんじんジュースを飲ませる
衆議院選挙投票日
「どちらに投票されるんですか?」
「親子といえども内緒です」
「自民党に入れるんでしょ?」
「自民党は入れません 民社党に…フフフ」
「言ってるじゃん」
to do 3. 自民党以外に投票してみる
「現代の政治の問題点をお願いします」
「ガン患者に優しく
怖いおばさんに強く」
一筋縄ではいかない夫婦関係
唯一の味方 愛犬のコロ
妻とは別々に暮らし 週末だけ落ち合う 週末婚
仲間と旅行に行ったり 大学の社会人講座に通ったり
to do 4. 葬式をシミュレーション
近親者とは? 親戚が大前提
親しい人には直接連絡
会社にも直接連絡(仁義)
教会葬の利点 会場が好印象
自宅と距離が近い
コストがリーズナブル(推測)
to do 5. あわび、母
三重県伊勢志摩 アワビステーキ
生前洗礼
家族の、内々での記録に内心のモノローグ。
to do 6. 式場の下見をする
「妻と会場の下見に来るのは 結婚式以来でございます」
段取り好きを受け継ぐ、アメリカの長男
to do 7. もう一度孫と会う
どれだけ周囲に着丈に振舞っても、周囲は身構え、別れの用意をし、過去の思い出を振り返る、それでも自分の肉体の運命に逆らうことは出来ない。
「夜いろんなこと考えちゃうんじゃない?」
「いやそんなことはね 毎日考えてる」
「パソコンのリストがなくなってる」
「だからそれに備えて コピーとってある」
この父にして子ありの会話に看護師さんも微笑む
to do 8. ✓孫に挨拶 ✓母に挨拶 ✓親友と談笑 息子に引き継ぎ
to do 9. 洗礼を受ける
あろうことか 洗礼を授けたのは カメラで追い回した次女
to do 10. 妻に(初めて)愛してると言う
to do 11. エンディングノート
「債権債務 以下言い訳ですが 楽しい人生を送りすぎたので 金銭での大層な遺産はありません 苦労をかけた ママのこれからを支えてくれる子供たちだけが ママへの最大のプレゼントです
子供たちへのお願い 私の死後 預金は淳子さんに渡してあげてください 1人では生きられない人です ママを頼みます」
「ところでさっきから 私に成り済まして 好き勝手しゃべっている娘から 死んだあと聞かれました ”それで今 どこにいるの?”と だから それは ちょっと…教えられません」