このレビューはネタバレを含みます
一応見られる機会に見とくかーって感じだったけど、画質と音質にもかかわらず気づいたらのめり込んでいた。濱口竜介本人がガッツリ出て演技をしている。
ブレッソン『ラルジャン』的な紙幣を手渡す手のショット。暗闇の中でのサッカー、ワイシャツとボールだけが浮かび上がるショット。エスカレーターを真上から撮るショット。タバコの火を同時につける男たちの同性愛的瞬間。辞書を読み上げる電車内のショット。最後の脳内サッカーからの全力疾走と、それを同じく全力疾走で並走して撮るブレるカメラ。
劇中劇。演じること、他者の映画を引き継ぐこと。座ると始まる会話劇。濱口竜介がいかに同じものを取り続けているかわかる。