このレビューはネタバレを含みます
“父親からの贈り物 我が子に残す人生の記録”
イラン侵攻で散った父親と息子、夫と妻の絆
先任曹長…中隊級の部隊に所属する上級下士官、兵士の訓練や他の下士官の指導を担当したり、部隊長の参謀役
“父親からの贈り物 我が子に残す人生の記録”
チャールズ・モンロー・キング
ダナ…NYタイムズ記者、短気、嫌味、こだわり、自分本位、
ジョーダン…泣き虫、
1998年春、家のリビング、じいじの誕生日前に出会い
チャールズ…父(指導教官)の友人、専任軍曹、早めの誕生日の飾り付け、第761戦車大隊第2次大戦の勇者たちの点描画、ザ・スピナーズ、離婚前、テキサスに母と娘クリスティナ(9歳)、
「なぜ入隊したの?」「規律を学べるし、旅ができるし、愛する国のために働きたかった。それに迷彩服が似合う」
「入隊して11年。9年後上級曹長で退役できたら、絵に専念を」「好きな画家は?」「質問攻めだな」「職業病ね」「うん。答えるなら2人いる」「スーラ?」「それとクロード・モネ。知ってるかな」
「NYでモネが見たくなったら連絡して」
3週間後に電話、誠実でいたい→正式に離婚
2009年
ジョーダンとダナ誕生日「パパの話」
“ラブソング”CD
電話「チャールズだ、元気?」「元気になった」
イラク、砂の嵐作戦でクウェート、
「切ってよ」「君が」「あなたが先」「本当に?」「そうよ」「分かった」「切ってくれる?またね」
NYへ
「オフ・オフ・ブロードウェイのキス」「これがオフ・ブロードウェイのキス」「そして…ブロードウェイのキス」
ムダ毛の処理→止め
ネグリジェ→パジャマ
ソファ→ベッドをシェア
チャールズがキス「ダメよ」「すまない」…「おやすみ」「おやすみ」
朝腕立ての掛け声で目が覚める
「モネはいつ?」「最後に取ってある。1度の週末じゃ街を回りきれない」「また来ないとな」
6ヶ月後…クリスマス
「人間、服より中身だ」「中身がいいと服が映える」
「彼女になって。正式に付き合ってほしい」
「エッチは上手?」「だから困ってる」
9.11
2018年
(ランスから殴られ)「つげ口野郎は死ぬ。痛い目に遭うんだ」「なぜケンカを?」「“ウィガー”と言われた。ニセ黒人って意味。他にもいろいろ」「他には?」「“黒人ならバスケがうまいはず”。“父親は軍人じゃない”とも。黒人なら服役中だろうって」
“ジョーダン、お前はアフリカ系だ。誰が何と言おうと変わらない。肌や目の色のせいでつらい思いもするだろう。だが人柄と行動で自分の輝きを示せ。お前の根っこを忘れるな”
「これは?」「父さんが書いたの。あなたのために。今のあなたに読んでほしい。全てを」
ダナ誕生日にバイブのプレゼント
「夫にもプラグがほしい」
「ママ、それは?」「マッサージ機よ」
「僕らも家族だ」「私は違う。結婚しなかったから」
イラクの武装解除で米軍と多国籍軍の侵攻
チャールズから電話…生きてた
「ベイビー、話がある。…イラク行きが決まった」「いつなの?」「分からない。明日にはフォート・アーウィンへ」「カルフォルニア?」「イエス」「いつ会える?」「それも分からない」
「ダナ、何があった?」「子供が欲しい。妊娠したいの」「今か?」「そうよ」「なぜ急に?」「誰かの人生を報じるだけじゃ嫌。あなたと人生を生きたいの。私と子供を持って」「もちろんだ」「でも…、即答でいいの?子犬とは違うのよ」「大丈夫だ」「本当?」「君こそ不安げだな」「あまりに決断が早いから」「ずっと前から決めてた」「私が不妊なら?」「結婚して」「何?」「結婚して」「OK」「OK?それはつまり…イエス?」「チャールズ・M・キング、結婚するわ」「ふぉぉぉぉ〜!撃ち方やめ!」「イエスだ」「何と?」「結婚するぞ」歓声「聞いた?」
“ワシントンDC アンダートン・ホテル”の紙
「父さんに会いに行こう」
“父親からの贈り物”
「何を書けば?」「まず父親として質問に答える形式になってる。あなたのことや、信念を書いて。息子への愛も。伝えてあげて」頷きダナの手を握るチャールズ
悪天候の飛行機の中で読むジョーダン
「僕が生まれた時父さんは?」「帰れなかった」「なぜ?」
帰国
ジョーダンと初対面
喘息
「オリーブオイル。エクストラバージン。君と同じだ。昔の」
戻ったら結婚式…フラグ
「父さんの最後は?」「話したわ」「爆弾のせいってたけ。僕は経緯が知りたいんだ」ためらってから「父さんは、テキサスの第67機甲連隊第1大隊に所属してた。通称デス・ディーラーズの名のとおり、イラクの“死の三角地帯”で任務をこなすことが多かった。父さんのあだ名は階級から“トップ”。C中隊105名のまとめ役だった。C中隊は“肉食(カーニヴォ)”と呼ばれた。父さんの仕事は本人によれば、生き延び方と敵の倒し方を部下に教えること。10月14日、2006年のことよ。彼らは任務に出発。父さんは行く必要がなかった。他のリーダーも休んでたわ。でも自分勝手やらないことを決して部下に強いない。いつも部下と一緒。そういう人だった」
「目的地は“島”と呼ばれる拠点への補給。約60人の兵士が働く陸の孤島よ。朝の10時38分、ジャルフ・アッ・サフルという町を通った。“島”から約3キロの地点よ」
路肩爆弾
急いで胸ポケットからダナとジョーダンの写真を取り出し、見つめながら絶命
「なぜ戦争したの?」「誰に聞くかに寄る。暴君やテロを止めるためだと言う人もいるし、私たちがテロの原因だと言う人もいる。でも父さんならきっと、部下のために戦ったと言う。彼らを生きて帰すためにね」「自分が死んでも?」「それが英雄よ」
ダナとジョーダンは現在もNYで暮らす
2016年 ダナは編集主任を務めたNYタイムズを退職
出版された回顧録が大ヒットし世界で翻訳された
現在彼女はサイモン&シュスター社で要職に就いている
ジョーダンは勉強も運動も得意だ
優しさ、積極性、気概にすぐれたリーダーとして学校で表彰された
今も父親の日記をよく読んでいる
(3人の写真)
チャールズの日記とダナの著書に基づく
キング先任軍曹の実際の墓所は
オハイオ州エバーグリーン記念公園
遺族がこの地を選び軍は丁重に弔った
20231029 975