MasaichiYaguchi

IT’S A SIN 哀しみの天使たちのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

IT’S A SIN 哀しみの天使たち(2021年製作のドラマ)
3.9
「ドクター・フー」などを手掛け、 自身もゲイであることを公表しているラッセル・T・デイヴィスが自らの経験をもとに、同性愛者への理解が少なかった1980年代のロンドンを舞台に、互いに支え合い自分らしく生き抜いた若者たちを、80年代の名曲に乗せて描いていく。
1981年ロンドン、同性愛者のリッチー、コリン、ロスコー、アッシュと彼らの親友ジルの5人が、ピンクパレスと名付けたアパートで共同生活を始める。
様々な葛藤を抱えながらも楽しく暮らす5人だったが、HIVの感染が急激に拡大し仲間が次々とエイズを発症していくことになる。
HIV感染をテーマに同性愛を描いたものというと、深刻で暗く重い作品をイメージするが、本作はポップで明るいタッチで、当時は「死の病」とされたAIDSを取り上げている。
現在ではHIVによく効く治療薬が開発されたことで、感染を早期に発見し、治療を受ければ普通の生活を送ることが可能で、AIDS、HIV感染症はもはや死の病ではなく、ウイルスに感染していない人と同じくらい長生きでき、セックスや妊娠、出産も可能になっている。
登場人物は私と同時代を生きた若者たちなので、劇中に登場する音楽、ファッション、風俗や文化に懐かしさを覚えます。