MasaichiYaguchi

忍びの家 House of NinjasのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

忍びの家 House of Ninjas(2024年製作のドラマ)
3.7
世を忍ぶ仮の姿で現代を生きている忍者一家を描く本作は、国家転覆の陰謀が進行するなか、服部と風魔という忍者同士の戦いが繰り広げられていく。
服部半蔵の子孫である俵家は日本で唯一の忍びの末裔で、代々国家権力の極秘任務を完璧にこなしてきた。
指令を下すのは文化庁忍者管理局で、この文化庁がなかなか闇が深くてきな臭い機関。
俵家には既に隠居の祖母、倒産寸前の酒造会社を営む父、専業主婦の母、大学生の長女、忍びの家系とまだ知らされていない幼い三男がいる。
主人公は自販機会社に勤める暗い次男なのだが、彼が暗いのには訳がある。
彼の非情になれないことによって任務中に長男が死んだから。
それは自分が見逃した敵に兄を殺され、その責任をずっと感じている。
長男の死後、父は任務を拒否した為に当然手当も入らず、俵家の家計は火の車状態にある。
この次男に「ムー」という雑誌の女性記者が、或る集団殺人事件を追う為に接触したことにより物語は本格的に動き出す。
2人は真相を追ううちに、カリスマ性のある教祖が率いるカルト集団に辿り着く。
やがて物語は、私利私欲で忍びをこき使う国家権力の卑劣さ、カルトの皮を被った覇権争いなど、現代社会の闇を炙り出していく。
「日蝕」と呼ばれる陰謀を巡る戦いは熾烈を極め、やがて総力戦となっていくが、果たしてどのような結末を迎えるのか?