兄のソーを憎みヴィランとして君臨する『アベンジャーズ』のロキ、そして父の死を悲しみ兄を助ける為サノスに挑む『インフィニティ・ウォー』でのヒーローのロキ。そんな彼の二面性である魅力が爆発する本作。
『エンドゲーム』での過去改変によって時間犯罪者となり、タイムキーパー達が紡ぐという神聖時間を守る事を課せられたロキ。しかしそれは彼の奇妙な冒険の始まりに過ぎなかった。
MCUのフェーズ4では「マルチバース」がテーマとなり『スパイダーマン ノー・ウェイ・ホーム』も話題となったが、本作ではそのマルチバースを主軸にしながらもヒーロー映画の要でもある「意志の自由」に波紋を投げかける問題作。全ての運命が定められたものだったら？あの決意や闘志が筋書き通りであったら？そんなMCUにとってタブーとも思われる問いかけを、原作の要素を上手く絡めて描く。
過去のサノスやセレスティアルズといった敵がちっぽけに見えるこの展開、これからのMCUは大丈夫なのか？と心配になるが、シーズン2も楽しみである。
