超能力を使うワンダと人造人間であるビジョンの超人カップル。2人は『エイジ・オブ・ウルトロン』で出会い、『シビル・ウォー』で愛し合い、『インフィニティ・ウォー』で死別した。そして『エンドゲーム』後であっても決して結ばれる事がない彼女らだが、本作では50年代の白黒映像のシットコムとして幸せな家族模様が描かれる。それはまるで『奥様は魔女』の様なコメディだが、時折挟まれる不穏な空気。コレは幻想か夢なのか、この世界の真実が解き明かされる時、アベンジャーズの数々の闘いの裏に隠された悲しい想いが紐解かれる。
MCUのドラマ第1弾であるにも関わらずコメディとミステリーの融合という異質な本作。しかし最後まで観ると十二分にマーベル作品であるし、MCUの世界に非常に巧く絡んでいた。『マイティ・ソー』『アントマン&ワスプ』『キャプテンマーベル』などから懐かしのキャラを出演させそれぞれが重要なポジションでありしかも今後への発展を予想させるコレまた巧い布石。マーベルコミックは詳しくないが、ワンダのとあるエピソードをここまで肉付けしながらMCUの歴史に組み込む技術はアッパレ過ぎる。そしてマーベルスタジオと20世紀フォックスの「クイックシルバー2人いる問題」までメタネタにするなんて脚本家めちゃくちゃ楽しんでそう笑
そしてコレがまた『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』に繋がっていくんだから、実に巧い商売だ笑
