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ダウントン・アビー/新たなる時代へのspoornerizmのレビュー・感想・評価

3.6

熱心にテレビドラマシリーズを観てきた自分が、最初の方で、「そうそう、この感じ!」って、なるつもりでワクワクして行ったら、「あれ、誰だっけ?」が、序盤で割りかしあって、、我ながら内心ズッコけた。
コロナ以降、3年、洋画も、海外ドラマもすっかり観なくなったからだろう。
モード夫人って誰だっけ?

さておき、
それは束の間の戸惑いで、メアリー、イーデス、ブランソン、バイオレットおばあさま、コーラ、そして、お痩せになってしまって最初ハッとしちゃったグランサム伯爵。みんなお元気で良かったです。

以下ネタバレ

映画撮影と、南仏の別荘相続と、2つのストーリーが並行して進む、
「大丈夫か? やるのか、並行して?」も杞憂に終わる。意外に、ちゃんとストーリーに着いていける。映画撮影案件には、トーキーへ変遷する時代背景を盛り込んだりもしている。

「ご家族の皆様」がいつも食事する席に、「下の階の人達」が、衣装を着替えて、エキストラという"正当な"理由付きで自分達が座っちゃうあのストーリー仕立ては傑作。「下の階」の人達も、こっちの観客も喜べる仕組み。

モールズリーさんは、その妄想力が、報われる日がきたね! まぁ、ただ、なんでも上手くまとまっちゃうダウントンアビーなんて、なんかフーンって思うところあるけど、モールズリーさんは、もう、ずるリーさんだから、なんか許しちゃう。

バローは主人不在がちなアメリカへ行くんかい? それってヒモじゃん、付き合いも浅いのに、アメリカで別れたら孤よ、、、心配。

コーラさんはやっぱり不滅。

メアリー、イーディスの美しい肩甲骨が浮く背中、、あれをドレスでサラリと見せる気品ある色気、やっぱり、貴族は違うわ。

わたしはイーディスが今回いちばん綺麗だって思った。職業夫人で、だんなは大金持ちで最高じゃん。
でも、イーディスとメアリーの仲良さはちょっとアレ?出来過ぎじゃないって思う。

しかし、
メアリーの夫はいなすぎでしょ。
イスタンブールに電報出そう、“バイオレット婆ちゃんが他界した“って。

そして、一回だけ会話にその名が出てきたメアリーの最初のだんな、マシュー。
そう、マシュー。
好きだったなぁ。。。
息子を抱いたその帰り道に事故に遭ったね、悲しくなったよ。
今のだんなより、悲しそうな目をして思い出すメアリーに同情。

しかし、あれだな、あの映画監督は、メアリーが惚れる顔でも性格でもないよーな。
あんな感じの顔で、あんな他力本願な男にメアリーは惚れない。


パットモアさんが、農園のおじさんが台所に寄ったとき、“食べな“って気持ちでお菓子ののった皿を差し出した、あのちょっとの瞬間の表情が1番好きだったシーン。
あれだけ観るためにもう一回観てもいい。

色々な人のエピソード盛り込みまくって、まさかの“皮肉のない“のブリティッシュストーリー、大団円で終わってしまった。
イーデスとメアリーは仲良し、ほんとかよ?とかさ、どーも全てまるーくまとまり過ぎ、って思っちゃう自分はひねくれ者なのか。

満足といえば満足。
不満足といえば、ちょっとそうかも、な一作。
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