Yumyum

ドント・ウォーリー・ダーリンのYumyumのネタバレレビュー・内容・結末

4.5

このレビューはネタバレを含みます

良かった。
フェミニズム映画だった。

「ステップフォードワイフ」みたいだなと思った。

ちょうど今「バービー」という映画が公開しているからか、ちらほらフェミニズム関連の内容をSNSでも目にする機会が増え(フェミニズム関連の内容を話す人たちが増え)そこで目にした「男を必要としない女に対する男の憎悪は異常」という感想をまさに体現しているかのような映画だった。

この映画の感想を(これとは別のSNSで)少し見てみたのだが「何がいいたいのかわからない」「わけがわからない」「エロシーンだけ見てスキップする映画」などという感想を述べているのが「男性アカウント」に対し、「めちゃめちゃ共感してしまった」「良かった」と言っているのが「女性アカウント」な事実に全てがつまっているなと思った。
「映画「バービー」を見て不快感を示す男とは別れろ」というコメントが、この映画にも当てはまるなと思った。
フェミニズム映画は男性のリトマス試験紙になるのだな…。

(現実世界で)仕事をしてヘトヘトで帰ってきた女主人公に対して「お腹ペコペコだよー(ご飯まだ?)」「({相手はしたくなさそうだが関係ない}俺がセックスしたいから)セックスしよー」「({相手がしたくないと言ってたけど無視ししつこく強要したが}セックスを断られた…)俺はぞんざいに扱われてる…」をやる「主人公が働いてる間、ただ家にいた男」の図が「日本の家庭でもあるある」すぎて吐きそうになった。

時間あるんだから、大人なんだから飯ぐらい自分で作れよ、パートナーの女性の分も作れよ、と思うのだが「男性は女性に比べ無償労働をしたがらない」「家事をするのは女性の仕事だと思っている」という統計を思い出して「男のほとんどは女体好きの女嫌い(おっぱいや女性器という「女体」は「オレ」がセックスで気持ちよくなるため必要不可欠だが、「セックスはしたくない」と発言したりする「意思」のある「(人間としての)女」は嫌い)」という言葉を思い出した。無意識に「女性を男性と同じ人間だと思っていない」のだ。(その無意識が怖い)

女が男が作った「(社会的)やり方」に「意見」をのべると「ヒステリーだ病気だ」扱いするシーンも医療の歴史の本で読んだ女性差別の項目「女は男よりバカな生き物(だから男よりまともな意見を発言できるなんて"いかれてる"から治療しよう)」を思い出して具合が悪くなった。脳のつくりに個体差はあれど男女差(性別での差)は存在しないので…


女の味方は女で、女の敵は男、かつ男の敵も男なのに男は女を敵扱いして女同士の分断をもはかる。

だからラスト(血まみれの)主人公の異様な様に「ヤベェ女だ」という態度を男性はとるが(女に計画がばれるという恐れも含め)、他の女たちは会食での主人公の「意見シーン」から撒かれた「違和感の種」が弾けつつあるかのように各々の夫を振り切り主人公についていくかのような動きをする。
主人公の味方をしてくれるのも最終的に「諸悪の根元たる男の"女"」だった。

この映画、序盤で女性差別シーンをナチュラルに組み込み(差別だとは思わせないようキレイに写し)、後半で「序盤のはド差別なんだぜ!気づいたよな?」の手のひら返しという名の演出がうますぎて落差に気持ち悪くなる。

ラストの現実世界に帰ってきてからのシーンとかもやってほしかった。
Yumyum

Yumyum