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ミステリと言う勿れのspoornerizmのネタバレレビュー・内容・結末

ミステリと言う勿れ(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

プロットは面白かったが、もうちょっと色々できたんじゃないか、の 3.5

菅田将暉さんの“ブロッコリ“ヘア+マフラー姿、モジャモジャ前髪の奥にあるつぶらな瞳。それだけ拝めれば全然いいや、と言い切れる気軽さで観に行ったら、“仕掛け“の面白さにまず感心。そして、“整くんの 何も決めてかかるなかれ“的コメント。ま、最初は“フフーン。“となるが、だんだん、解釈の今風が、それはそれで強要してない?って反発。そういった若者に振り回されてる昭和世代には、そろそろ辟易してきた、って自覚があったりしつつ、結末を迎えて、“・・・あ、そうなんだ“のあっさり風味な終わりだった。

松坂慶子さん、鈴木保奈美さんの演じた役は、それぞれ“噛ませ“、だよなぁ。 松坂慶子さん演じるお手伝いさんが、あそこの資産家の家の「本筋の娘」だと私は思ってたんだけど。自死した弟のことを、わりとペラペラ話すあたりで、どうなんだろ?と思ってきた。そして保奈美さん演じるお母さんも、何かあるんじゃないか、って思ってたんだが、何気に出番が少ない。
そして、
まさかの、“薄味“の妙味が魅力な、松下洸平さんが、かーい、とはなった。

全体的に、すんごいキャスト使って、それぞれのキャラクターの背景に深みがないのが、勿体無ーい、ってのはどうしてもあるよ。

犬神家的なのをちょっとどこかで期待してるんだよね、でも、そうは行かない。謎解きに関わる人物は、序章の誰かが死ぬの予言とは逆に誰も死なない。
そこらへんのライトさも「いまどき」って感じがしたなー。

ただ、コアとなった「鬼の一族」のプロットは面白かったと言えるよなぁ。今、金持ちとか地元の名士とか言われてる人たちだって、昔は何があったかわかんないよね〜っていう視点に気付かされるところあった。貴族だって、大名だって、戦さをして人を殺めて領地を拡大してのし上がった人じゃん、元は。そんな事を思い出した。
や、ちょっと違うか。。。

ただなぁ、
段田さんたち演じる祖父世代が、劇団の脚本家(ゲッツさん?)を殺めるシーンは、単純に、率直に、絵面として、見づらかった。
あのベテラン俳優二人にあれだけ生々しく演じてもらうには、「そうするだけの理由がある」背景がある役として、物語に描いて欲しかった。

でも、まぁ、“天パー“整くんが、「天パーが理由で“粛清“される一家」に踏み込むってだけでも、充分、ツッコミどころがあるよね?
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