くっちー

美しい彼 special edit versionのくっちーのレビュー・感想・評価

美しい彼 special edit version(2023年製作の映画)
4.7
凪良ゆうによるBL小説を映像化した本作の魅力の一つは、なんといってもキング清居を演じる八木の暴力的な美しさだろう。小説原作ならではの「圧倒的な美しさ」という設定を実写の映像表現で実現させた功績は大きい。

もちろん彼らのビジュアルのみならず、繊細で複雑な感情、心理描写をリアリティをもって演じきった2人の実力もはずせない。

ときに狂気的なほど、平良の清居への崇拝に近い気持ちは強く描かれる。ここに「男が好きなんじゃなく〈君〉が好き、〈君〉でないとだめなんだ」というBL的ロマンス構成が乗せられることで、平良と清居の関係は単なる友情を超えていくものとして描かれる。

誰かを愛するという気持ちは、総じて重たいものなのだろう。そういったことを、あえて男性同士というカップリングを用いることで、より鮮烈に感じさせる作品である。