くっちーさんの映画レビュー・感想・評価

くっちー

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リバー、流れないでよ(2023年製作の映画)

3.8

繰り返される2分ワンカット

彼女たちは時間がループしていることを自覚したまま、2分という時間を過ごしていく。

それは舞台演劇において、俳優たちが公演を重ね、経験を記憶した自身の身体を用いて、何度も
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EO イーオー(2022年製作の映画)

4.1

E.Oそのロバの瞳に世界はどう映っているのか。

その答えが明らかにされることはない。なぜならE.Oは一介のロバに他ならないからだ。

もしE.Oの気持ちを解釈したとすれば、それは鑑賞者の個人的なもの
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さらば、わが愛/覇王別姫 4K(1993年製作の映画)

4.3

京劇を物語の中心に据えることで、伝統文化の抱える「継承」に関する葛藤をドラマチックかつ緊迫感をもって描く。

近代中国、激動の時代の中で2人の少年が伝統に従事しつつ、変化する社会の中で苦悶し翻弄されな
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岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)

3.0

安定の面白さはドラマ版そのままに、舞台は日本からパリ、ルーブル美術館へ、時間は露伴の子供時代まで遡る時間的、地理的にも映画版ならではのダイナミックな広がりを見せた。

特に露伴の子供時代を演じていた長
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アキはハルとごはんを食べたい(2023年製作の映画)

3.5

BLかそうでないか意見が分かれると思うが、BLっぽくない理由としては、「性描写がないこと」と「モノローグが少ないこと」の2点が考えられる。

特に後者はルーツとして少女漫画に近接してきたBLは実写化さ
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波紋(2023年製作の映画)

4.0

彼女がいったいなにをしたというのだろうか。

1人穏やかに信仰を拠り所として、静かに慎ましく暮らしていた依子の生活は、失踪していた夫が現れたことで次第に揺らいでいく。

側から見れば、怪しげな宗教への
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怪物(2023年製作の映画)

4.8

同性愛を取り巻く様々な歪みや社会的な雰囲気をリアルかつ、子どもたちを主人公に据えたことでよりセンセーショナルな形で描き出す。

劇中では一連の物語が登場人物それぞれの視点で反復する形で語られてゆく。こ
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サイド バイ サイド 隣にいる人(2023年製作の映画)

2.5

本編で描かれるのは誰かのとなりに誰かがいる風景。物語はあるものの説明は省かれており、解釈や理解は高度に鑑賞者に委ねられる。

ただ言えるのは、私のとなりにいる人にとって、私もまたその人の「となりにいる
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ヴィレッジ(2023年製作の映画)

3.5

日本の村社会における「歪さ」に焦点を当てた、地域学系を専攻する人必見の作品。

これは村が住民をおかしくするのか、はたまた住民が村をおかしくしているのか

村社会に飲み込まれた人間たちの破滅は繰り返さ
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パリタクシー(2022年製作の映画)

3.2

パリは人生と共に

ある女性の人生を、人生落ち目のタクシードライバーと共に観客は追体験していく。彼女についての真実は、彼女の口からしか語られない。したがって我々がここで見聞きするのは、彼女とパリの記憶
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箪笥<たんす>(2003年製作の映画)

2.2

箪笥の秘密、家族に漂う不穏さの正体はいかに...

前評判がかなり高かったが個人的にはよくわからなかった。

そもそも画面が終始暗いシーンが多く、テレビ画面の発光度ではどうしたって不明瞭であったのが残
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美しい彼〜eternal〜(2023年製作の映画)

4.8

美しい彼とその後、そしてこれから...

ドラマ2作に続く形で、交際中の2人のあれやこれやが描かれる
主演2名の相変わらずの暴力的なまでのビジュアルは置いておくとして、、

今作で特筆すべきは、描かれ
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美しい彼 special edit version(2023年製作の映画)

4.7

凪良ゆうによるBL小説を映像化した本作の魅力の一つは、なんといってもキング清居を演じる八木の暴力的な美しさだろう。小説原作ならではの「圧倒的な美しさ」という設定を実写の映像表現で実現させた功績は大きい>>続きを読む

日の丸~寺山修司40年目の挑発~(2022年製作の映画)

3.0

「日の丸についてどう思いますか?」の質問に対して、突然マイクを向けられた人々の回答は、どこか他人事のような印象を受ける。

匿名性の蓑の下ではこういったセンセーショナルな話題に切り込めと迫るのに、いざ
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ボーンズ アンド オール(2022年製作の映画)

4.3

自分ではどうすることもできない性質を認め、自分と同じ種類の者あるいは異なる者と生きていくことの葛藤と困難という普遍的な課題をカニバリズムという極端な欲望を設定することによって鮮烈に描き出している。>>続きを読む

エゴイスト(2023年製作の映画)

3.5

内容としては、ゲイを主人公に据えた物語が展開されるが、BL的ではない。

冒頭に関しては、人物の心情を効果的に表すため音楽が用いられるなど、アジアBLの雰囲気がある。
BLとは相容れないのは、ゲイの暮
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血のお茶と紅い鎖(2006年製作の映画)

2.5

寓話的パペットファンタジー

不穏な雰囲気がただよう世界観の中で描かれる食物連鎖。

彼らは常に食される可能性を孕んでいると同時に、人形を愛しみ、執着する心も持ち合わせる。

人間も食物連鎖の中にいる
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Melanie Martinez: K-12(2019年製作の映画)

2.8

ファンシーでポップな世界観の中で皮肉や社会風刺が鮮烈に繰り広げられるナンセンス・ミュージカル。

ファンタジーな世界で展開されるのは女性たちが体制や制度に抵抗する姿。それは社会に対する皮肉や社会風刺を
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BOYS LOVE(2006年製作の映画)

1.0

実写映像BLとしてはかなり初期の作品。

BLのキモともいえる要素をことごとく外しており、2006年当時の男性によるBLに対する誤解と偏見に満ちた映画だといえる。
ただBLという主題に勝機を見出した点
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オンマ/呪縛(2022年製作の映画)

2.5

母娘問題を韓国の儒教的文化と融合させ、ホラーというジャンルで描いてみせた作品。

母を憎みながらも、母になることで憎むべき母の姿と自分が徐々に重なる。女性が娘でありながら母になる葛藤。

母娘問題を主
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