spoornerizm

岸辺露伴 ルーヴルへ行くのspoornerizmのレビュー・感想・評価

岸辺露伴 ルーヴルへ行く(2023年製作の映画)
3.5
面白かった、最終的に。

ルーブル美術館って舞台だけも大きなスクリーンで見る価値あり+高橋一生さん+舞台挨拶回、という事で、いそいそと出かけた。で、序盤で気付いた。
“岸辺露伴・・・テレビで挫折した奴だった…“ 。

前半の“くだり“が冗長に感じて「これは一体どこに行く流れ?」。御免なさいだが、正直、睡魔が襲ってきたが。

しかしルーブル美術館、青白い時間帯のヒヤリとした空気感がたまんなかったなぁ。“サモトラケのニケ“のある階段踊り場とかさぁ。。。

Z室の地下室エピソードは、まさかの「オカルト」かよ、ヒェ〜!+ “そういう露伴さん自身には“ブラック“なところがないんかい?“ってツッコミしながら見てた、、でもちゃんと、ありましたね。

江戸時代(だよね?)のニザブロウさんからの因縁。ニザブロウさん夫婦(=高橋一生さん+木村さん夫婦)がすんごい良かった、艶かしい感じすらして。
そう、高橋一生さんの本来の声色だったしね。

やー、良かったです。自分でも、江戸時代の役の高橋一生さんに、こんなに惹かれてしまうとは思ってなかったー。内心驚きながらも、“明かされる過去から現在の露伴さんまで“、時代を超えて引き継がれたストーリーに“いいぞ、いいぞ“。
終盤の展開は、なかなか面白かったです。

なお、舞台挨拶の最後にあった高橋一生さんの言葉が、俳優さんらしい発言であり発信で心に留めておきたいと思いました。

以下要約。

"娯楽映画はひとの心を動かしえるものだと思っている。自分はその虚構の世界で、(世の中が明るいとは言えなかったこの3年間)皆さんに夢の世界を見ていただく事で、現実に生きる力を携えて頂きたいと思いながら役を演じてきた。

作品も、俳優も、スタッフワークというものも、とても儚いものかもしれない。いずれも消費され、忘れ去られるスピードが年々早くなっているように感じているけれど、もし、この映画が気に入って頂けたならば、作る側と、観る側と立場が違うけれども、大事にしていただけならな、と思う。"
spoornerizm

spoornerizm