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風の谷のナウシカのaのレビュー・感想・評価

風の谷のナウシカ(1984年製作の映画)
3.0
幼少期に観た記憶殆ど無いから、初めて観たような物だった。

まず、私が考える力が無い事が悪いのだが今の私にとっては、2時間弱の映画にしては情報量が多過ぎた。
見た事のない世界で見た事のない生活を送る人々が見た事のない戦いをしている為、現状を理解するだけで精一杯なのに、次から次へと新しい問題(争い)が発生し、正直、作品が面白い面白くない以前に、追い付いていく事にただただ必死だった。
特に、最後の服がピンクから青に変わるシーンは、物語を追うのに必死過ぎて気が付いたら色が変わっていたので、「着替えのシーンあったか?」と思ってしまった。視聴後、複数回観たことのある人が変色のシーンを教えてくれて、改めて観たが、あの変わり方は正直アハ体験だと思う。
また、クシャナの心境変化にもあまり着いて行けず、ナウシカとの関係性が十分に理解できないままエンディングになってしまった。原作漫画ではもっと魅力的なキャラクターや関係性らしいので、ぜひ読んでみたいと思う。

また、こんなにも音楽が前衛的でサイケデリック(?)な物だとは知らなかった為とても驚いた。
人間と自然の関係性を描いた雄大な音楽や、人の争いを描いた怒りをかき立てるような荒々しい音楽だけでなく、私にとっては一見不釣り合いな電子音は、想像もできない未来にむしろぴったりであったと、観る内に感じるようになった。

また、ナウシカの容姿はあまりに女性性を強調し過ぎではないかと思い調べたら、「胸の大きさは母性を象徴」のような解説が出てきた。(実際のインタビュー資料等は見ていないので、誤解していたら申し訳ない)
1980年代の作品で、ここまでトロフィーとしての女性ではなく、主体的に行動する女性を描ける監督やスタジオだからこそ、態々「母性の象徴の胸」なんて描かなくても、性格等のキャラクター性で「母性」を感じる事ができたのになと思った。
しかし、それは1990年代に女性として生まれた私と1940年代に男性として生まれた宮崎監督では見える世界、見たい世界が違うから、ある意味仕方のない事なんだろう。

それから、私は幼少期から安田成美さんの『風の谷のナウシカ』の曲が聴く度に頭痛がしそうな程苦手なのだが、久々に映画を観たら、その曲が苦手な理由(トラウマシーン等)が分かるかと思ったが、それは全く分からなかった。ただただ苦手な曲調なんだろうという事が分かった。
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