a

プーと大人になった僕のaのレビュー・感想・評価

プーと大人になった僕(2018年製作の映画)
4.5
幼少期に『くまのプーさん』が本当に大好きで、過度な表現でなく、数えられる回数ではない程繰り返し見ていた為、一番初めのナレーションを聞いた瞬間から号泣してしまった。
絵本のようなシーンやナレーション、台詞もあの時のままで、一瞬で子供の頃に戻ったようだった。
その感覚にさせてくれた、昔から変わらない声優さんは勿論、先代の話し方をリスペクトしてくださった新しい声優さん、そしてアニメ版を愛してるファンの想いを大事に作品を作ってくださった制作陣の方々には、感謝をしてもしきれない。
また、大人になったクリストファー・ロビンの堺雅人さんの声は、聡明で優しい彼のイメージにぴったりだった。

クリストファー・ロビンが経験してきた人生は辛い事が溢れていて、「あの時」のクリストファー・ロビンはいなくなってしまったのに、疑いもなくプーさんが彼を彼だと言ったシーンは、あまりに嬉しくて悲しい気持ちになった為、一番印象的な場面の一つだった。
そんなプーさんに「僕を捨ててもいいよ」と言わせてしまうなんて、たとえクリストファー・ロビンだとしても、流石に許せなかった。
しかし、物語が進んでいく中で、プーさん達にとってクリストファー・ロビンが大好きな友達で英雄だったように、クリストファー・ロビンにとってプーさん達は大好きな友達で英雄だった事を丁寧に描いてくれて、本当に嬉しかった。

そして、ぬいぐるみのようなプーさん達が自然に動いていた事も、少しの表情の変化で喜怒哀楽がしっかり分かった事も、心から感動した。この技術力を大好きな作品で見る事ができて、私は幸せ者だと思う。

100エーカーの森の皆は、いつまでも変わる事がなく、いつでも変わらない大切な事を思い出させてくれる。
社会人として生きる中で、変化に素早く順応できるよう努力をしてきたが、自分にとって大切な物をなくさないよう変わらない努力にも目を向けなければと気付かせてくれた。

大好きな作品だったからこそ、実写版を見る勇気がなかったが、勇気を出して見て本当によかった。
a

a