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パスト ライブス/再会のASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

パスト ライブス/再会(2023年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます


たぶん彼と結婚する

韓国的な男らしさ

君は僕よりも知っている
John Cale / 『You Know More Than I Know』


2024年映画30本目

結ばれなかった2人と結ばれたかった2人。
良かった。不思議な余韻。
イニョンという言葉。とてもアジア的。摂理でも運命でもなく、これは縁。こんな素敵な作品が出てきたことに驚くし、嬉しくも感じる。ビフォアシリーズは観てないので、重要な参照元が欠けているが、『One Day』や新海誠の初期作品も想起。どこかで誰かを諦めた人や忘れられない誰かがまだ心にいる人はブッ刺さるのかも。

この作品の悪役は、距離と時間。舞台的な脚本だけど、ちゃんと映画。ニューヨークを一緒に観光しているような趣きも。女性監督だけど、男性的な視点は随所にあって、どちらかに偏らない語り口はスマート。同じ友人とつるみ続ける感じ、私は理解できないが、彼の人の良さと彼女の言う韓国的な男らしさの表象のようにも。ただその点は万国共通なので普遍的な良い視点。

アーサーの鬼メンタルが試されているよう気にもさせられる。三者三様の感情の移入先ではある。普通にすごくない?どんな修行をしたのだろう、と思ってしまうほどの人格者。全然話しているし、彼同様歩み寄る。彼女を奪われないだろうか、という不安。お祭りで出会った女友達が彼氏そっちのけで我々と話しているあのいたたまれない感じもこの作品にあるような気もします。うま。

ちょっとダサめなタックイン、バーのシーンのやり取り、ラストの歩行シーンの無言のやりとり、車から窓の外を見る姿が少年の彼と重なる。
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