ASHITAKAAkino

ほつれるのASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

ほつれる(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます


旦那のお金ですから


2024年映画3本目

加藤拓也監督作2作目。
劇作家、演出家としても広く活躍しているらしい、まだ若いけどすごいらしい、くらいの前知識のみで鑑賞。フランスで受けそうと思って調べたらコンペティションで賞取ってるし、『綿子はもつれる』のタイトルで舞台もあり、台湾公演はソールド。今後も追った方が良い作家という認識。

コミュニケーション不全、人と向き合わないことについての映画。最近、共感性などそっちのけで、他者への想像こそ今足りないものでは、と思わせる映画が増えてきているので良い。
ぶっちゃけ何か起こっているようで何も起こっていないような映画。男と女の普遍的な物語。不倫を通じて合わさった関係がタイトル通りほつれていく。それを退屈に感じるかは人を選ぶのかもしれません。特に名台詞や名シーンなどもあえて設けず、淡々と切り取っているところが生活のなかにある所作や会話のやりとりも自然なものに。

舞台役者的なオーバーな表現、演技、発声がなくて、それも個人的にはポイントに。舞台見てみたくなりました。引用した台詞のところの黒木華の何とも言えない表情が最高。国内のインディ系の映画もこういった趣きで世界に認知されるのなら明るい、と感じなくもない。アニメやIPに埋め尽くされるのはもっと退屈なので。
正座して前作も鑑賞します。
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