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怪物の木こりのryotaのネタバレレビュー・内容・結末

怪物の木こり(2023年製作の映画)
3.2

このレビューはネタバレを含みます

サイコパスVS殺人鬼って言ってたから、思わず「コング対ゴジラ」とか「エイリアンVSプレデター」を想像してしまった私が大きな間違いでした。そこが軸になってなくて、ミステリー仕立てのサイコものでした。

雰囲気すごくよくて、三池節は相変わらずダークでかっこいいと思ったんですけど、こういうミステリーというか心理的なものって正直合わないのかなと。アクションのキレも、グロもかなり抑えめで淡々としてて、つまらなくはないんだけど随分と違和感があってそれほど乗れずに終わってしまいました。脳チップでサイコパスっていうのはちょっと作られた感があって斬新でもあり、ちょっと安易でもあり、微妙。孤児院に入る前に人体実験的に脳手術を受けてほぼみんな死んだのに奇跡的に生き残った二人が結果戦うことになってしまったわけですけど、サイコパスをなくすためにサイコパスを殺していく殺人鬼ってのも、正直そんなにグッと迫るものもなくて、ああそうなんだってくらいのクライマックス。吉岡里帆ってあの程度も扱いってなんか勿体無いし、プロファイラー(菜々緒)が事件の真相に迫るってのは単なる刑事じゃなくていい感じだったけど、結果それほどの活躍もなく。もっとR18くらいの残酷で悲惨で悲しいのを途中から期待したのに、妙に映像も綺麗でシャープだし、ああそういうまとまったミステリー映画にしたかったんだなとわかってしまって、割り切りました。終盤なんてみんないい人って感じで泣かせるようなセリフの応酬にちょっと引いてしまったし、ラストに婚約者に刺されるの、めちゃくちゃテンプレ的な終わり方ですよ。だったら婚約者も殺して自分も首切り裂いて死んで欲しかったぜ(言い過ぎ?)。

まあ、ある程度まとまっているからそんなにつまらなくもないし、確かに亀梨くんのヤバいやつはちゃんとヤバいサイコパスにちゃんと見えるんでそこはいい感じにハマってたと思います。あと、染谷将太は一番不気味で最高。彼が主役の話だとまた違ったものになってたかも、なんて。でも、せめて被害者が殺戮されるシーンは見たかったなあ。脳を破壊してチップを壊そうってんだからその辺り、残酷グロ映画好きとしては期待してしまった(笑)。
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