ASHITAKAAkino

アメリカン・フィクションのASHITAKAAkinoのネタバレレビュー・内容・結末

アメリカン・フィクション(2023年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます


繊細すぎる

アシスタントが読んで要約する

こういうのは俺たちを退廃させるだけだ


2024年映画23本目

通じない皮肉は揶揄と示唆に富んだ風刺劇に。
ジェフリーライトのコメディ。
主演で見るのは個人的には初かも。
良いタイトル。作中内作のタイトルが『My Pafology』からやけくそで『F**K』になるのも笑う。

ジャンルは一括りにされ、らしさを求められる。審査員の白人の男女(保守的な属性も強調されていた)が書籍を支持し、称揚する。ブラックだから悪っぽく、ラップもするし、主役で映画を作るとなると似たりよったりのものになる。それってどうなの、という問題提起。それを白人が求めている、という無自覚なグロテスクさも。我々にはもっと語ることが、人種関係なしに声があるのではないかと。だから、小説以外の彼の家族や恋人ととの緩やかな時間が素敵。そういった普遍性を語ってもいいはずだと。でも、最後の方でメタ的にラストを3回見せる。結局、白人の監督(?)が選び取るのは主人公が銃で撃たれる。結局それかよといううんざりした表情。コメディとして落とし込まれているけれど、見え隠れする欲求のようなものを突きつけているようでもあり、その点は作品の優れた部分。

音楽とか飾られた写真とかの意味をまだうまく取り込めていないけど、面白かったです。
声色変えるところとか、かなりの爆笑ポイントだと思うけど、吹替で観るとおそらく面白さは半減するのでしょう。不倫していた父、ゲイの弟、プールのシーン(ブレイキングバッドみを感じた)、海岸での葬儀と結婚式、クラシックなエンディング、好き。
観ていてタイラーのグラミーのスピーチ、ナナ・クワメ・アジェイ・ブレニヤの『フライデー・ブラック』を想起。


誤植は残念だし、正直1作2作というレベルじゃないほど、変なのが多い。今年はAmazon Studio作品かなり豊作な印象なので、字幕の翻訳関係にもう少し予算を割くなりしてほしいと思った次第です。
あとはNetflixやApple TV作品のように普通に劇場で観れるようにしてほしいです。
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