きみ

サイラー ナラシムハー・レッディ 偉大なる反逆者のきみのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

これを逃したら、今世で最後のサイラーナラシムハー・レッディになるかもしれない!! という気持ちで、少し離れた映画館まで足を運びました。2024年12月17日、二度目の鑑賞。

物語はラクシュミー・バーイー率いる100人の反乱軍が、劣勢に陥り動揺しているところから始まります。
そこでラクシュミー・バーイーは、10年前にこの解放運動を始めた、ナラシムハー・レッディについて、皆々に語ります。


まず、この映画を見るまで、チランジーヴィのことを「少しふっくらしてる、なんか有名なおじさん」くらいに思っていた自分をぶん殴ってやりたい。
ナラシムハー・レッディは、圧倒的なカリスマ性と存在感を備えた、まさに生まれながらの王。それを演じるチランジーヴィは、まごうことなくメガスターでした。はっちゃめちゃに格好いいいいいあ!!!!!

ナラシムハーの胸には、常に王としての使命があるのが伺える。
それなのに、ラクシュミに愛を向けるとき、イギリス人の暴虐に怒り狂うとき、誰かを許す時、ふとした折にうるむ瞳に人間味が溢れる。
目で語るとはこのことだなぁなんて、様々な表情に釘付けになりました。

初見では、大切な人がいつも手に入らないラクシュミが、すごく哀れで切ない人だと思ったけれど。
運動の助けになるべくプロパガンダの末に命を落としたラクシュミ。血を受け継ぎ守るべき子供をなしたシッダンマ。
どちらも己の使命を全うしたという点では等しく、尊く、素敵な人だと思いました。
力強く踊るラクシュミは本当に美しかったし、そこで一緒に歌うシッダンマもすごく良かった。
ふたりのダンスシーンは華やかで、見た目にも楽しかったです。

RRRみたいに「史実変えちゃった!?」的な展開がない限り、ナラシムハーの処刑は確定なので、終始ドキドキ。案の定、ストーリーは予想していたラストを迎えましたが、そのシーンは想像以上で大興奮でした。
ナラシムハーの灯した闘争の火は消えることがない! 最期の台詞で私もそれを確信したし、首をなくしてもコクランを剣で貫く、その出来すぎた構図には、心のなかで大喝采しました。
見たいものを見せてくれる、最高に格好良い作品ってかんじ。

実際はどうだったのかな、なんてことをチラリと思いつつ。コクラン軍と全面衝突した最後の戦いで、最初はバラバラだった王や、タミル人の首長、女性など、様々な人が仲間として戦うのは胸が熱くなりました。
私的には、最初に立ち上がってくれたスッバイヤ、そしていつかは裏切りそうな顔をしていたくせに……最終的に信頼できる友にまでなったアヴク ラジュが、大好きです。
きみ

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