きみ

ゆれる人魚のきみのネタバレレビュー・内容・結末

ゆれる人魚(2015年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

現代、というか近代の人魚姫。
台詞よりも歌が多く、これはミュージカルなのかな……?
映像は彩度が低く、ナイトクラブのパフォーマンス、ベッドシーン、作品全体にアングラ感が漂います。


陸に上がった、人魚の姉妹。
しかし姉は人間に恋をして、妹はそんな姉とすれ違う。

最初から最後まで人間のことを食料としか見ていない妹のゴールデンは、野性味が強くて時に獰猛。
姉のシルバーはどこか素朴で純真そうな顔を見せるけれど、そこがよけいに人魚であること、人間と違う感覚を持った生き物であることを浮き彫りにしています。
エログロな要素が続く中、シルバーが最期に男の腕の中で見せた表情は静謐な美しさがあって良かったです。

案外淡々とした作品で、そこまでの意外性や、面白みはなかった。結末は殆ど童話の人魚姫と同じで、ただ最後に妹のゴールデンが、王子に当たる男を許さなかったくらい。
どんなラストになるのかワクワクしていたので、その点は少し拍子抜け。

私はミュージカル調のシーンはそこそこ楽しめたのですが、特筆するようなシーンや、ストーリーではないので、92分という時間に救われました。
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