Emma

ふしぎの国のアリスのEmmaのレビュー・感想・評価

ふしぎの国のアリス(1951年製作の映画)
4.8
幼稚園の頃から狂ったように観てた大好きな作品。高校生になった今観ると、新しい魅力に多く気づく。アリスは子供にしては冷静で論理的な女の子で、ふしぎの国では常識なんて皆無に近くて、みんなイカれてる。普通にぶつかっていくとめんどくさい目に逢う。こちらも思考を狂わせないと相手についてけないから、そんなことしないアリスは一緒に楽しもうとしてもすぐにイライラしてしまう。
全員が完璧にイカれてるかと言われるとそうではない気もする。例えば、きらめく昼下がりに登場するバラ。花達のまとめ役で、終始アリスに親切に接している。他にはバラを塗っていたトランプ兵など。
怪しいのはチェシャ猫。彼は、自分がイカレてると自覚してるあたり、他の住民たちとは違う狂人。少なくとも正常ではない。
イカれてるけどマッドハッターなんかは、礼儀正しい性格で相方の3月うさぎのように支離滅裂で暴力的ではない気がする。
こんな風にキャラクター全員がイカれてるでまとめるにはあまりにも勿体ないくらい、皆それぞれに個性があって一人一人を観察して思いを馳せるのも楽しい。
結局は夢でしたって話だけど、あんなにリアルな夢をみれるアリスは凄い想像力の持ち主だなーと。でも本当に夢だったのかな?この後アリスはふしぎの国を訪れたんだろうか。それとも二度と見つからなかったのか。お姉さんが言おうとしたことは何だったのか。解決しない謎が多々あって、後日談を考えるのも楽しい作品。
(実写版は別として考えるべきだと思う)

好奇心は忘れないでおきたい。
ちなみに、私はお茶会のシーンが好き。
あのコンビは『Bonkers』というアニメシリーズにレギュラーで登場しているので好きな方には是非観て欲しい。
Emma

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