だいこんおろし

奇跡の海のだいこんおろしのレビュー・感想・評価

奇跡の海(1996年製作の映画)
4.0
舞台は1970年代の海辺の小さな町、そこで暮らす人たちの閉塞感が画面の色遣いで伝わってくる。章毎の音楽で緊迫した物語からふと我に返り、次の章へと誘われる。
ベスを演じたエミリー・ワトソン。この作品のために存在するかのよう、男を愛するあまり破滅的な行動を選んでしまう。本当に神が宿るように見えた無垢な心。ベスの存在は救いとは何かを問いかける。そしてその献身をどこか冷めた視線で描いている。男の顛末は苛酷なようで楽天的なものだった。天上を見上げる男に救いはおとずれるのだろうか。神なるものへの問いかけを感じる作品。
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