SALT

[Focus]のSALTのネタバレレビュー・内容・結末

[Focus](1996年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

滅茶苦茶面白かった!
ディレクターの捲し立てるような喋り口調がひたすら不愉快で、興奮も焦燥も苛立ちも直接的に伝わってくる。もう目が離せない。こんなに短時間で世界に飲み込まれた映画は他に無いかもしれない。映画の手法的にはモキュメンタリータッチ調で、ブレアウィッチプロジェクト等の、自分勝手な登場人物たちが醸し出す険悪な雰囲気。ディレクター役の急急とした演技によって、険悪感がもっと濃密に味わえる。この人は演技が凄く上手。
若い浅野忠信も凄い。キモオタ系の雰囲気がよく出ているし、それが後半全く別人になって吠えまくる。
前半はディレクターの狂気じみた熱狂によってひたすら不安感が煽られて、後半は立場の逆転した浅野忠信の凶暴性によってカタルシスが展開される。後半に突然流れるBGMも格好良い。
警察無線を傍受する事で、自分たちの逃亡が常に把握されている事が分かるという伏線回収も絶望感があってお見事。警察無線に携帯電話の盗聴が重なり、首都高のライティングと相まったサイケデリックさも最高。早暁に感動してコーヒーを飲む浅野忠信も絵になる。ストーリーも展開も、エンディングも何もかも最高。映画って面白いですね。
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