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カッコーの巣の上でのSALTのネタバレレビュー・内容・結末

カッコーの巣の上で(1975年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

精神障害を患っている方は叫んだり暴れたりする方もいて、一般の社会の中では暮らせないことは勿論、病院などで看護する事も難しい。昔、それらの方々の「問題となる症状」を脳を切る事で消失させる、という手術が行われていた時代がある。脳を切って廃人にさせる手術なので、国際的に反対されているが、一部の国ではいまも行われる事があるかもしれない。主人公マックが最後に受けたのはそんな手術。「悪い子は廃人にされる」怖すぎるよ、それ。
でもその怖すぎる状況は現代もあまり変わっていないかもしれない。医療の世界は人を殺すことも出来るし、廃人にする事もできる。

ミシェル・フーコーは病院もまた人間を管理する監獄であると説いた。
映画の舞台となった精神病院もまさに監獄だ。「あなたの為に」と言いながら鎖で縛る職員たち。フーコーの言う所の牧人権力である。そうした権力に反抗して自由を勝ち取ろうとする姿に爽快さを感じるのかもしれないが、とにかくやり過ぎ。牧人権力を打倒しようとする力はやはりダークヒーロー的なんだな。
詐病を用いて精神病院に避難した男が、最終的には廃人にされてしまう話。

ジャック・ニコルソンの演技も怪物的だったが他のキャストの演技も凄い。
精神病患者たちはどう見ても精神病患者にしか見えない。
チーフも全く精神病患者にしか見えない。
婦長さんは最後に首を絞められるシーンが本当に首を絞められているようにしか見えない。あんな演技ができる女性はそうそう居ないかもしれない。
物語も見応えがあって面白い映画だった。
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