クロフネ

十八歳、海へのクロフネのレビュー・感想・評価

十八歳、海へ(1979年製作の映画)
2.5
心中ごっこに興じる若きカップルと、彼らと対照的な大人の男女の恋の行末を、行きつ戻りつしながら描いた青春映画。一見すると森下愛子と永島敏行のカップルが主人公のように見えますが、藤田敏八監督がより思い入れをもって描いているのは、もう一方の小林薫&島村佳江のほうでしょう。
それにしても70年代当時の映画には、カジュアルに死にたがる若者がたくさん登場するのはなぜでしょう。当時は、鬱屈した感情を秘めた若者を登場させるのが当たり前でした。そんな青春映画がいっぱいありました。でも、私の周りはもっとずっと健全な若者が多かったような気がします。「時代の先端」を描くという強い意志が、製作者の側にあふれていたのでしょうか。
そのあたりに「時代のムード」を強く感じた次第です。
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