さらしな

風が吹くままのさらしなのレビュー・感想・評価

風が吹くまま(1999年製作の映画)
3.8
珍しい葬式の撮影のため、テヘランから遠く離れた山間の小さな美しい村へやってきた主人公たちテレビクルー。村の老婆が危篤と聞いてやって来たが、何週間村にいても老婆が亡くなる様子はない。苛立つテレビクルーたちとは対照的に、村は平穏そのもの。子供たちは学校へ通い畑仕事を手伝い、お向かいの奥さんは10人近い子供を産んで育てている。カフェ?の女主人と旦那は夫婦喧嘩をして、若者は恋をしている。特に何かドラマチックなことが起こるわけでもなく、淡々とした日常が描かれる。
しかし、そのなんてことのない日常が、だだっ広い畑や、美しい住居などの背景によって非常にエモーショナルである。
主人公と村人たちとの問答のような会話が多く、いわゆる哲学的な映画であるし、ただただ美しい景色やその中に息づく人々の営みをぼんやりと見ているだけでも楽しい映画でもある。
さらしな

さらしな