このレビューはネタバレを含みます
初め主人公のライバルとして現れ、その後最大の理解者となるベン・チャップリンに心惹かれた。このストーリー展開は、スポーツ漫画を見るようで胸が熱くなった。ベンは本作の裏主人公のような立ち位置だが、白人のマネージャーに利用され捨てられる存在であり、主人公はユダヤ系という設定も相俟って、人種問題を扱った作品ともいえ、現代まで批評性を失っていない傑作だと思う。
そういう情報をどこかで見聞きしたわけではないので確かなことは言えないが、おそらくマーティン・スコセッシの『レイジング・ブル』に少なからぬ影響を与えた作品ではないか。