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永遠の0のspoornerizmのレビュー・感想・評価

永遠の0(2013年製作の映画)
3.7
久しぶりに観たけど、やっぱり意味ある良い映画。橋爪さん演じる役の男性がベッドで語ったとおり『あと10年もすれば、戦争を知ってる人がいなくなる』、その10年がちょうど今ごろである。いま観て、より語られるべき物語だと思った。

茨城県笠間市にある海軍航空隊の学校に付属する資料館に、特攻で散ることがわかってる学生たちの手紙があって。
誰も生きて戻りたいなんて書いてない。散って本望だって書いてて、それがもう読んでられなくなるわけで。

この映画で描かれた事の意味が凄くわかる。飛行機操縦には、特に優秀な学生しか携われなかったから、身長もあって賢そうな若者がずらり。これだけの未来ある優秀な人材をむざむざと死に送りこんだのが、わたしの国だったんだなと。

宮部久蔵(岡田准一)さんが、大石(染谷翔太→田中泯)さんを生かせたかったのはわかる。教官だったんだもの。自分が導いた学生たちが亡くなった後に生きる資格はないと思ったんだろうなと私は思った。
だから、確信犯で整備に不良があった機体を譲った。

夏八木勲さん、平幹雄さん、田中泯さん、橋爪功さん、名だたる俳優さんばかりがズラリと揃う、こんな映画も贅沢だし、その芝居を受け続ける三浦春馬さんも大変だったろうなと思った。

個人的には、監督の15テイクやったというシーンが、いいかっていうとそうじゃないから不思議。

映画は監督のもの、舞台は俳優のものってわかる気がした。
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