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インセプションのSugiのレビュー・感想・評価

インセプション(2010年製作の映画)
3.9
夢の中で夢を見たらどうなるのか?と一度は考えたことのある想像を物語に昇華した名作。
そもそも夢は睡眠中に潜在意識が映像化したものであり、たった数分の時間でも、夢ではそれが数時間になる。この「夢」の中で人の潜在意識を操り、現実世界に影響を与えるというストーリーだが、これらの設定が秀逸だった。
また、夢の中でも「これは現実だ」と錯覚しないように持つトーテムも、本作のキーとなる。
止まることなく回り続けるトーテムが意味するところ。それは永遠の「夢」である。

今いる世界が夢か現実か、判別が付かないところまで堕ちてしまった、「虚無」のモルが余りにも可哀想で、悲劇の過去を知った時、コブが目論む「インセプション」の本当の目的を知る。

夢の中の夢の中の夢。
ストーリーが複雑で難解な分、キャラクターはみな単純で見やすかった。もしここも騙し合い等の要素が入ってこられたら、何が嘘か本当かそれこそ判らず、置いて行かれていた気がする。
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