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天空の城ラピュタのaのレビュー・感想・評価

天空の城ラピュタ(1986年製作の映画)
3.4
幼少期に見てから十何年ぶりに見たため、ほぼ初見だった。
一番の感想は、パズーをはじめ登場人物の異常な怪力と体力と運動神経に驚いた。彼らの超人的な力があれば、ラピュタの最先端の科学力などいらないのではないだろうか。知らんけど。

圧倒的な破壊力を持つ巨神兵は、シータや動植物などに慈愛に満ちた姿を見せていた所から、強大な力は使い方を間違えれば「恐怖の対象」となるが、使い方を間違わなければ「護衛の象徴」になるのかもしれないと思った。
暴力は許されるものではないが、秩序を守る為に必要最低限の暴力を集結させる必要はあるだろう。ただ、その暴力の種類や範囲、制度などはいつも議論し、アップデートし続けなければいけない。その「平和」と「暴力」の均衡が崩れた時、その社会には崩壊の道しか残っていないのかもしれない。

ムスカ大差は、シータに「二人だけの世界…」と言っていたが、二人でラピュタを復活させようとしていたのだろうか。一代限りの復活は考えていないだろう。だとすると、約15-20歳ほど年下の十代前半の少女を恐怖で支配し、少女にとって逃げ場のない世界で「夫婦」になろうとしていたのだろうか。そこまでして復活させたラピュタで王になった後、何をしたかったのだろうか。
そもそもシータの家系はラピュタの事を「忘れた」らしいが、ムスカの家系は自国の政府や軍だけでなく、親族(本家?)までも利用してラピュタを復活させようするとは、どんな話を伝承してきたのだろうか。なぜその中で、ラピュタを去った理由や教訓は引き継がれなかったのだろうか。

「男/女らしさ」が異常に強調されていたのは、軍や海賊などのマッチョイズムの世界の印象を強めるための演出だろうなと思った。

どのキャラクターも魅力的だったが、崩壊し浮上し続けるラピュタにいた巨神兵と動物たちが、最期の瞬間まで平和で美しい世界にいれる事を、一番強く願った。
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